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この展覧会は、期待して初日に見に行った。「朝鮮王朝時代の絵画を通覧する初めての試み! 日本絵画との関係に迫る」、「宗達、大雅、若冲も学んだ隣国の美」というチラシ↓の文句に惹かれたのである。
入ってみると、この展覧会のリストがない。ショップに下りていって聞くと、気の毒そうに、図録しかないのだという。見るとその図録は2900円で、厚い。この重い図録を買って持ちまわろうかとも思ったが、その巻末にある「出品リスト」は、今回巡回する静岡県美術館・仙台博物館・岡山県立美術館のものと共通であり、栃木県立美術館で何が展示されるかまったく分からない。さらにまずいことには、栃木県立美術館のチラシには「会期中、展示替えを実施します。」と書いてある。ショップの女性は、「これしかないのですが」といいつつ、「すゞかけの庭」という友の会会報を出してくれた。なんとそこには、静岡県立美術館所蔵の伊藤若冲の桝目描《樹花鳥獣図屏風》の画像が載っているではないか。実際にこの画がこの展覧会のオオトリだったが、これを見るまでには、今回出ているとの情報はまったくなかった。文句をいっても仕方がないと思って、会場に入って沢山並んでいる朝鮮王朝の山水画、花鳥画、草虫図を見だした。初めて聞く画家の名前が多いので、お気に入りについてはメモを取るが、これがまた大変。画家の名前が、難しい漢字・ハングル・英語で書かれているが、正しい名前は漢字の上に付けられた小さなカタカナを読むしかない。これを読むにはわたしとしては双眼鏡を使うしかなかった。 心配した若い女性係員が担当の学芸員に連絡してくれたので、今後来られるブロガーのために、1.リストをHPにアップし、2.それにカタカナ名を入れ、3.栃木県立美術館における展示時期を入れてほしいとお願いした。学芸員の方は快く「そのようにする」と言っていただいた。自分自身、買ってきた図録を見ても、はたしてこれが実際に展示されていたかどうか、自信がないものも多いので、しっかりとした記事ではないことをお許し頂きたい。 第1部は「朝鮮絵画の精華」で、4章に分かれている。 第1章 朝鮮絵画の流れ:山水画を中心に 前期のものは、黄変し、色彩が落ちたものが多い中で、金玄成賛の《瀟湘八景屏善風》、文清印の《山水図》↓が良かった。皴法の柔らかい形態感は北宋・金時代の李郭派の画風に近い。そういう意味で、この「文清印」は後捺ではないかとされていた。 第3章 絵画と工芸、越境する花鳥の美 花鳥図、架鷹図、葡萄図は若冲への影響が感じられた。《架鷹図》↓からは、千葉市美術館蔵の若冲《鸚鵡図》、伝徐柱の《葡萄図》↓↓からは、プライス氏が若冲にはまった最初の画を思い出した。伝申師任堂の《草虫図屏風》からは、若冲の《菜蟲譜》↓↓↓を思い出した。この若冲の画は11月18日からの展示ということで、ホールにパネルが展示されていた。一つ一つの野菜や虫の説明図が付けてあったので、好事家には参考になる。 なぜか《虎図》が多い。耳が小さいのは当時の日本の絵師が描いた虎と同じである。朝鮮の人たちも生きた虎を見る機会がなかったのだと自分で納得した。一番ユニークな《虎図》は↓。 第5章 交流の形―朝鮮通信使たちの果たした役割 朝鮮国王に贈られ、現在ソウルに保管されている狩野友甫宴安の《苅田雁秋草図屏風》などはなかなか立派だった。 第6章 日本画家のまなざし 朝鮮絵画に影響を受けたと思われる作品が沢山並んでいて、この章は楽しめる。雪村周継の《花鳥図》、俵屋宗達の《双狗図》↓、与謝蕪村の《狗子図》↓↓、そして前述した伊藤若冲の《樹花鳥獣図屏風》↓↓↓など、名画が並んでいる。宗達の狗は、ポスターとなっている李巌の《花下遊狗図》↑とそっくりの毛描きのない子犬であり、若冲の枡目描は《紙織画屏風》との関係が示唆されている。 常設展を駈足で見て、今度はタクシーで「Foujita展」が開かれている宇都宮美術館に向かった。タクシー代3,000円。この展覧会を上野で観れば、入場料1400円、宇都宮ではネット割引券で900円であるが、タクシー代は出ない。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2008-11-03 13:04
| 東洋アート
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