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結構、アジアの仏像は好きなのだが、ここのところ忙しくて、この本命は後回しになってしまった。
スリランカは、BC6世紀頃インド北部から移住したヴィジャヤ王子によって建国され、その子孫がアヌラプーラダラに都を構えたという。仏陀が活躍したのがBC5-6世紀だから、年代的には重なっている。 スリランカの歴史は、アヌラプーラダラに都のあった古代、ポロンナルワを中心にした中世、ギャンディイ王国の支配した近世に分類されている。 すべての時代を通じて仏教美術が優勢であるが、一部には南インドから侵攻を繰返してきたタミル人により、ヒンドゥー教美術が、16世紀以降の西欧諸国の支配下ではキリスト教美術も伝えられている。 第1章 アヌラプーラダラ時代(BC3-AD11世紀) アヌラプーラダラは、BC3世紀に、インドマウリア朝アショーカ王の王子マヒンダが仏教を伝えた都である。 初期のスリランカ美術は、インドと同じく、仏像に先行して仏塔の造営から始まっている。今回の展覧会には、写真パネルとして、前2世紀創建のルワンウェリサーヤ大塔や前1世紀創建のアバヤギリ大塔を見ることができた。大塔には舎利が納められているが、今回展示されているのは2-3世紀以降のものである。レプリカであるが、3世紀の仏足石が出ていた。これは釈迦の姿を人間像で表さないという初期仏教の仏陀不表現の特色である。 4世紀の《ヤシャクニー》↓という三曲法で身体をくねらせた像の装飾がでていたが、これはインドの民間信仰の神で、1世紀にインドのマトウラーにおけるインド的仏像成立の一つの先駆を成すものであると考えられている。 ![]() ![]() ![]() ![]() 《金板2万5千頌般若経》には感嘆した。これは金に細かい字を彫った経。サンスクリット語を古代シンハラ・タイプの書体で書いたもので、7葉のうち6葉は両面に書かれているという。 第2章 ポロンナルワ時代から諸王国時代(11-16世紀) タミル人の侵攻によるヒンドゥー教寺院が建設され、シヴァ↓、パールヴァーティ、ガネーシャ↓↓、スンダラル、カーラィカール・アッマイヤール↓↓↓、スーリアなど南インドと直接連なる彫像が展示されていた。 ![]() ![]() ![]() 写真パネルで、ティワンカ・ピリマゲー寺院の壁画を見ることもできた。 第3章 キャンディ時代とその後(16-20世紀) 15世紀末にコーッテから独立したキャンディ王国がおこり、16世紀のポルトガルの沿岸部植民地化時代にはキャンディは山地部で独立を保ち、オランダがポルトガルを駆逐した後はこれと共存した。 18世紀にシンハラ王統がとだえ、南インドのタミル王統が続くが、衰退していた仏教の回復のため、東南アジアから僧侶が招かれた。18世紀の如来坐像が沢山出ていたが、青銅製の冷たい感じのものが多かった。一方、真鍮製の如来立像や涅槃像に仏教復興のエネルギーが感じられ、マカトラナという怪魚と獅子で囲まれた独特な《如来立像》↓も見られた。さらに象牙の如来立像、櫛、耳かきや華麗な装飾品も出展されていた。 ![]() スリランカの長い歴史を美術の視点からだけだが、2時間ほどで見てしまった。現地には仏教遺跡が沢山残っており、世界遺産ともなっている。治安がよくなれば観光客が増えるのではないかと思った。 (おまけ) ガネーシャ ![]() ガネーシャは、シヴァとパールヴァティの息子で、像頭鼓腹の人間の姿で表される。水浴する母のため外で見張り番をしていたガネーシャは、父のシヴァまでも中に入れなかったため、怒ったシヴァに頭を切られ、その後最初に通りかかった動物の頭をつけて再生されたキメラである。 この像には、手が4本あり、上の2本は斧、左下は果物を持っている。天蓋のついた椅子に腰かけた半跏踏下像。椅子の下には鰐のような動物。もちろん男性器もついている。 ヒンドゥー教の中の愉快な道化者だが、ヴェーダには登場せず、インドの先史以来の動物崇拝に起源すると考えられている。仏像尊像化も早く、仏像とガネーシャ像が共存した石窟もあり、日本では密教の尊格の一つとして歓喜天(聖天)として信仰を集めた。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2008-10-27 00:05
| 仏像
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