ナンバーズ・数をめぐって ＠千葉市美術館

　今回の企画展「八犬伝の世界」附属の所蔵作品展。おまけの展示だが、それなりに楽しめる。●「八」の章：　まず豊原国周の《里見八犬士》の揃物が出ていたが、これは「企画展」の中に入れたほうが良かったかもしれない。
●「八」で揃える：伊東深水の《近江八景》が良かった。川瀬巴水と同門だけに、風景画も巧い。↓は《近江八景の内　唐崎の松》。●名数で数える：　三筆・四天王・七福神など、決まった数で呼ぶ名称を「名数」と呼ぶ。大原東野の《名数画譜》↓という絵本が出ていた。　お気に入りは、曽我蕭白の《虎渓三笑図》↓。墨跡鮮やかに描かれた風景は素晴らしい。３人の人物はヤット探せる。　岡田米山人の《竹林七賢図》↓は、これと良い対照をなす穏やかな画。　月岡芳年の《風俗三十二相》の揃物が出ていた。その一部は東博でも見ているが、目次↓の他に32枚揃うと迫力がある。　残念なことに、上の2段は見にくいし、目次の順番に展示されているのに、リストが順不同なので混乱する。そうはいっても、有名な絵なので、数枚アップする。上から《かわゆいそう》、《のみたそう》、《遊歩がしたそう》。いずれもマイタイプではないのだが・・・。
●絵の中の数を読む：　歌川広重の絵暦《山姥と金太郎》の色彩が鮮やかだった。
●「百」の章：　橋本貞秀の大判錦絵3枚続《東都両国はし夏景色》の橋の上の人間の数に驚く。これでは橋が壊れてしまいそう。岸岱の《群蝶図》に再会。ほんとに素晴らしい。

美術散歩　管理人　とら