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木彫彩色で大理石の目を持つ独特な人物像で人気の高い現代彫刻家。有名な舟越保武の次男である。今回は、この現代アートが現代美術館ではなく、古風なアール・デコ建築である東京庭園美術館内に展観されていることが特異である。
楠の木彫りの丸みが、アール・デコの直線的なデザインの家具や建物と素晴らしいコントラストとなっている。四角い嵌め込み鏡には、不思議な彫像の滑らかな背部が映っている。まるでずっと前から、その人物がその場所にいたような気がしてくるから不思議である。 その独特な彫像の瞳は涼やかで、顔つきは優しく、ふくよかな乳房、膨らんだお腹、あるいは合体した胴などきわめて女性的な造形であるかと思うと、同じ彫像の頭には別な小さな顔が、耳が裏表に、あるいはその肩に手が裏返しに付着している。いかにもシュールな造形で、見るものは騙される。 初期の女性の髪はお下げやポニーテールであるが、近年のスフィンクス・シリーズと呼ばれている作品では、髪の毛が板状に両肩を越えて垂れ下がっている。極端なものでは、上半身が女性の裸体であるのに、その下部は男性となって露出されている。女性と男性が共存した両性具有像である。 《戦争をみるスフィンクス》は美術館を入ってすぐ左の小部屋にあり、右側の受付の手前なので、帰るときに初めてその存在に気付いた。2階の《戦争をみるスフィンクスⅡ》は、眉間に皺がよっているが、入口のものは比較的穏やかな顔つきである。 館内に入ってすぐ左側の小部屋には今回始めて入ったが、ここに今回のポスター↑の《遠い手のスフィンクス》が置かれている。左手が切断され、再接着されている。これが後のアール・デコ調の暖炉の上の大きな四角い鏡に写る。 ホールの中央の《森に浮くスフィンクス》は両性具有像で、4本の木に支えられている。その一本には蔦が巻いている。 《雪の上の影》(↓中)の上半身は綺麗な姉妹だが、胸から下の二人は合体している。この像は、斜め右から見ると、とても美しい。 《緑の・・・》という題の新作は、僧帽をかぶったコバルト・ブルーの牧師で、今までにない鮮やかな色彩の出現である。 暗い書斎に置かれた《冬の会話》は、革のチョッキを着込んでいる。 2階の《山と水の間に》(↑左)は、白い服の左肩が黒い翼に移行している。 《遅い振り子》では、取れた腕が鉄で体に振り子状に固定されている。 バスルームの《言葉をつかむ手》を戸口から見ると、まるで入浴中の女性を覗き見したような気持ちになり、一瞬たじろぐ。しかしその左肩にはシャツを着た男性のような手が付いていることに気付いて、もう一度驚く。 舟越桂のこの不思議な展覧会を満喫した。作品自体が独創的だからだろうが、この建物とのマッチングも絶妙だった。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2008-07-21 22:33
| 現代アート(国内)
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