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北京の故宮博物院は、以前の紫禁城であるが、清の乾隆帝の時代に集積された美術品コレクションの多くは政変などにより流出してしまっていたと思っていたのだが、今回はその北京故宮博物院から中国書法の粋ともいえるビッグネームの作品が65点、その中に国宝級の書跡が13点も来たので驚いた。2006年に東京国立博物館と上海博物館で共催された「書の至宝」展では、中国の書と日本の書が混在して展示されていたが、今回は中国のものだけで構成されているので、中国書法史を辿りやすい。
1章.唐宋元時代の書 今回の展覧会の目玉は、なんといっても書聖として尊ばれてきた王羲之(おうぎし)の最高傑作《蘭亭序》である。東博の「蘭亭序展」の記事にもちょっと書いたが、母親や家内が臨書した蘭亭序が表装してあり、その母親が本年5月に天寿を全うしたので、現在床の間に掛けてある。この記事の最後に↓↓↓↓↓、母親の蘭亭序をアップさせていただいた。 蘭亭序は、東晋の王羲之が、永和9年(353)3月3日に会稽の蘭亭で開いた曲水の宴で詠まれた詩を集めた詩編の序文であるが、唐の太宗皇帝がこれを自らの墳墓「昭陵」に殉葬させてしまったため真跡が存在せず、コピーによってその筆跡を辿ることができる。東博や台東区立書道博物館にある定武本は、欧陽詢の臨書の拓本である。 今回出品の蘭亭序(八柱第三本)は、唐の太宗皇帝が搨書(とうしょ)の名人馮承素(ふうしょうそ)に書き写させたもので、清時代には乾隆帝も所蔵していた現存する肉筆本では名品中の名品とされている。実物↓を見ると、汚れは目立たずとても美しい。流麗な書で、書き直すだけの感情の揺れも認められる。「之」・「所」・「其」という字がいくつも出てくるが、それぞれに異なる字体で書かれていることも注目される。鑑蔵印が無数に押されているが、中では乾隆帝のものが立派で、数も多い。唐時代の年号である「神龍」の割り印が、端に半分残っていることも確認できた。 元の書跡では、鮮于枢(せんうすう)の《草書秋興詩冊》、趙孟頫(ちょうもうふ)の《楷書張総管墓誌銘巻》、康里きき(こうりきき)の《草書臨十七帖冊》↓が出ていたが、それぞれに感心した。とくに趙孟頫の書は王羲之の書体を復活させんとしたものであり、25歳で溺死した若者の墓誌だけに、憐憫の心がこもっている。 明朝を創建した朱元璋(洪武帝)の《行書総兵帖》が出ていて驚いた。「三宋二沈」の中の宋克(そうこく)、宋広(そうこう)、沈度(しんど)↓、「呉中の三大家」の祝允明(しゅくいんめい)、文徴明(ぶんちょうめい)、王寵(おうちょう)の書のほかに、解縉(かいしん)の草書、姜立綱(きょうりつこう)の楷書なども楽しんだ。 「明代末期の四大家」といわれる董其昌(とうきしょう)、米万錘(べいまんしょう)、張瑞図(ちょうずいと)、邢侗(けいどう)が揃って展示されていた。 また、文字間の切れ目なく書き連ねた「連綿行草書」を沢山観ることができた。この派の書家としては、黄道周(こうどうしゅう)、倪元ろ(王ヘンに路、げいげんろ)、王鐸(おうたく)、傅山(ふざん)などの作品が出展されていた。 4章.清前期の書 董其昌風に書いた沈荃(しんせん)にくらべ、反満州の態度を貫いた朱耷(しゅとう)の《行書抄録蘭亭序軸》の書がオリジナリティの強いことに気付く。 揚州(江蘇省)では塩の専売で富を得た商人が文化を庇護し、多くの文化人が集った。当時の書風に迎合せず、特異な作風で異彩を放った書画家八人は「揚州八怪」と呼ばれたが、ここではその中でとくに有名な鄭燮(ていしょう)の草書と金農(きんのう)の独特の震えるような漆書《隷書抄録沈周伝軸》↓が出ていた。 「帖学派の三大家」の劉墉(りゅうよう)、梁同書(りょうどうしょ)、王文治(おうぶんじ)の行書が揃って出ていた。 「碑学派」としては、有名な趙之謙(ちょうしけん)や呉昌碩(ごしょうせき)の他に沢山の隷書や篆書を楽しむことができた。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2008-07-19 18:43
| 東洋アート
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