六波羅蜜寺の仏像ー平安鎌倉彫刻の宝庫 ＠東京国立博物館

　空也上人で有名な京都の六波羅蜜寺からの重文級の仏像のオンパレード。本尊の国宝《十一観音立像》と口から「南無阿弥陀仏」の６体の仏の出てくる《空也上人像》以外は皆さん東京にお出ましになっているようである。

　本年１１月１６日ー３０日、明年４月２６日ー５月６日に本尊のご開帳があるとのことで、今回はその宣伝のための一大デレゲーション。　なんといってもチラシに出ている平安時代の《地蔵菩薩立像》↑が素晴らしい。地蔵菩薩といえば通常は右手に錫杖をもっているのであるが、この地蔵菩薩は左手に女性の髪の毛を握っている。貧しい女性の母親の葬式を手伝ったと伝えられ、現在も女性の信心が厚いという。

　入口には、鎌倉時代の《平清盛像》↓。平家の住んだ六波羅だけに、清盛のオマージュ。手に持っているのは紺地のお経。有名な平家納経なのだろう。　一番奥に鎮座している平安時代の《薬師如来坐像》↓は貫禄がある。このチームの主将といったところである。　その他に、江戸時代の康猶が娘を悼んで作った《奪衣婆坐像》、鎌倉時代の《運慶坐像》・《 湛慶坐像》・《弘法大師坐像》・《閻魔王坐像》、平安時代の《持国天立像》など見るべきものが多い。

　運慶作の《地蔵菩薩坐像》は、現在平成館で開催中の「対決展」において、トップバッターとして活躍中。８月１９日からは本館のこの「特集展示」にお移りになる。やはり横綱は最後に登場！

美術散歩　管理人　とら