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モスクワ市近代美術館所蔵のロシア・アヴァンギャルド展。副題は「シャガールからマレーヴィチまで」。
初日の開館早々に入った。先着200名に展覧会のクリアファイル・プレゼントがあるためか、最初はちょっと混んでいたが、1時間もするとガラガラになってきた。 日本ではなじみのうすいロシアの20世紀美術だから当然であるともいえる。でもこの展覧会は、ロシア革命前後の激動の時代のロシア美術の勉強するにはちょうど良い機会。 Ⅰ-1 西洋の影響とネオ・プリミティヴ: 最初に出てくるのはゴンチャローヴァとラリオーノフのカップルの絵画である。ゴンチャローヴァの≪あんずの収穫≫↓にみられるように、遠近法にとらわれない平面的で、かつ装飾的な画である。ちょっとゴーギャンのタッチに似た画で、ロシアの伝統的あるいは土着の文化を掘り起こしていこうとする方向である。こういう民衆芸術などを意識し、プリミティヴなものを見直す方向を「ネオ・プリミティヴ」と呼んでいる。 ブルリュークは「ロシア未来派の父」と呼ばれているそうだが、展示されているのは《風呂》↓のようなコラージュが2点と顔に彩色した《芸術家の母の肖像》や動くイコン的な《三つ目の未来派風の女》のような前衛的な油彩である。ロシア革命が進行するなかで、彼はウラジオストークから日本に亡命し、さらにその後に日ソ関係の悪化により1922年に、アメリカへ渡った。 Ⅰ-2 見出された画家ピロスマニ: グルジアの画家ニコ・ピロスマニは、アンリ・ルソーのような「素朴派」の画家で、プリミティヴなものをベースに抽象へと向かった当時の前衛美術の動きとは完全に独立していた。彼の生涯は、加藤登紀子の「百万本のバラ」という曲で歌われ、映画「ピロスマニ」(1969年作品)でも取り上げられている。今回、ピロスマニの画は10点も展示されている。《小熊を連れた母白熊》↓や《イースターのエッグを持つ女性》↓↓、≪宴にようこそ!(居酒屋のための看板)≫↓↓↓などほほえましい画が並んでいる。 プーニの《ランプのあるコンポジション》は、キュビスムでありながら、三次元表示を試みる方向に進んでいる。 Ⅲ 1920年代以降の絵画: 「ロシア構成主義」の創始者といわれるタトリンの《労働者の肖像》が出ていた。もともと鉄板や木片によるレリーフを「構成」と呼んだのであるが、1920年以降の絵画をこのような構成主義で一くくりにするのは無理である。 ドミトリーエフの《サーカス》↓は舞台芸術、パラーノフ=ロシネーの《裸婦》、《キュビスム風の裸婦》、《燃えるような赤毛》はオルフィスム、すなわち叙情的キュビスムであり、マレーヴィチは《自画像》や《芸術家の妻の肖像》のような具象画に戻ってしまった。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2008-06-21 21:28
| 国外アート
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