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アメリカからフランスに渡った裸婦のスペシャリスト、田中保は気になる画家だった。以前に埼玉近美の常設展で「田中保の世界」を見た記憶があるが、2007年1月に埼玉県美で開かれた「巴里憧憬」では、背中に日本の屏風のある《裸婦》、2008年2月の目黒美の所蔵作品展「美女の図・美男の図」では《金髪の裸婦》を見ており、後者では画像もアップしている。
今回、その田中保の回顧展が「サトエ記念21世紀美術館」で開かれていることを知って飛んでいった。ネットによると東武伊勢崎線の「花崎駅」下車、南口から歩いて15分となっているが、実際にはもっとかかる。ドブ川を渡り、高速道路をくぐり、田圃のなかの側道を歩いて、うんざりした頃に着く。実際には平成国際大学の正面である。大学への送迎バスはないのだろうか。 門をくぐると、手入れの行き届いた日本庭園。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 常設展会場は「フランスの息吹」という題がついており、ジャン=ポール・ローランスの《オフィーリア》↓から始まる。 ![]() 廊下には、藤井勉の花の写実画が12点並んでいた。小品ながら美しい。ホールの突き当りには、大津鎮雄の《ロアールの城》という細長い油彩画が掛けられていた。 さて、これからが期待の「田中保展」。2部屋に分かれている。 ![]() 田中は1886年岩槻の生まれ。埼玉県立第一中学校を出て、1904年にシアトルに渡り、皿洗いなどしながら独学で画の勉強を始めた。1912年ごろ、オランダ人フォッス・タダマの画塾にも通っている。次第に「裸婦のタナカ」として知られるようになり、1917年に詩人・美術評論家のルイーズ・カンと結婚。カンの父は裁判官であったとのこと。シアトルの展覧会では、彼の作品が風紀上好ましくないとされたが、田中が抗議をしたため撤去されなかったとのことである。1920年にパリに渡り、サロンに着々と出品し、藤田嗣治と並ぶ評判を得ていた。 またヘミングウェイなどの文筆家とも親交があった。しかし第二次大戦中の1941年に、55歳という若さでこの世を去った。日本に一度も帰国することがなく、パリで客死したため、この画家に対する関心と評価はわが国では遅れているようである。今回の展覧会には、情緒豊かな風景画や力強い肖像画も出ていたが、なんといっても裸体画が目をひく。↑《裸婦》の看板も少し前ならば過激だといわれただろう。日本の扇子が置かれている。 《自室にいる裸婦》↓は、過激ではないのでチラシの表紙に載せたのだろうが、何となくだらしない。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2008-06-13 16:31
| 国内アート
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