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浮世絵収集家の中右 瑛(なかう えい)氏のコレクションから、写楽・歌麿・北斎・広重を170点の展覧会というのであるから見逃せない。
会場に入るや、いきなり北斎の《赤富士》。それだけではどうということもないが、なんとその横に北斎の《青富士》が並んでいて、ドキモを抜かれる。これは富嶽三十六景の《凱風快晴》の青刷りである。 次には写楽が20点も並んでいる。こんなに写楽を見るのは初めてである。写楽はわずか10ヶ月の間に144点もの作品を残し、その後消息を絶っている。 キャプションの一口コメントが面白い。役者絵の長い名前をすっ飛ばして絵を楽しんでもらいたいというサービス精神である。 4期に分けた作画時期の分類もキャプションにあり、勉強になる。 第2期(寛政6年7月・8月)の38枚では、人物も全身像で描かれ、白雲母摺や細判の作品が登場する。ここでは、4点が展示されているが、そのうち3枚はチビッ子スター「大童山」の土俵入り関連。 第3期(寛政6年11月・閏11月)の64枚では、背景に舞台装置が描かれるようになり、落款も「東洲斎」を除いた「写楽画」となる。ここでは5枚の展示。 第4期(寛政7年正月)には14枚の作品があるが、今回は出ていなかった。 そのあと「写楽のそっくりさん」というコーナーがあった。写楽を他の絵師とする説は30以上あるとのことだが、ここでは歌川国政・歌川豊国・鳥居清政・叢豊丸・十辺舎一九・流光斎如圭・勝川春英・栄松斎長喜・歌舞伎堂艶鏡などが描いた写楽と似た絵を登場させ、見るものの好奇心をくすぐる。これも企画者のサービス精神らしい。 続くは、歌麿。美人画がいろいろと出てきて楽しめる。↓は図録の背面の《松葉楼装ひ 実を通す風情》で、例の一口コメントは「黒雲母摺りの豪華版」である。 お気に入りは《遊君鏡八契》↓。「蚊帳ごしの鏡」とのコメント通りの素晴らしい描写であるが、エロチシズムも滲んでくる。 北斎については、入口の《青富士》で驚かされたが、習作期の役者絵、美人画、浮絵、洋風風景画、文字絵、仮名手本忠臣蔵、妖怪残酷絵、富嶽三十六景(摺りはイマイチ)、百人異一首姥がえとき、百物語5点揃、詩歌写真鏡、戯画、摺物、北斎漫画などとても楽しめる。デパートの照明は、東博などに比べ格段に明るいので、裸眼で細部にわたって見える。 広重については、役者絵や美人画が沢山出てきて驚いた。↓は《外と内姿八景 格子の夜雨、まかきの情らむ》。吉原の格子越しに煙管を渡す遊女と馴染客の交流を、本絵とコマ絵の二つのシーンで表している。 肉筆画では、北斎の《ほうき星》が面白い。北斎がハレー彗星を見た可能性があるとのことである。広重の派手な《官女図》にも驚いた。 とにかくこの展覧会は楽しめる。浮世絵を敬遠してきた人もこの展覧会をみれば、浮世絵ファンになるのではなかろうか。企画者のサービス精神に今一度敬意を表する。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2008-04-27 20:09
| 浮世絵
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