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大丸神戸でやっていたこの展覧会の情報は遊行七恵さんのブログで知った。大型連休初日。美人画を見るためには片道3時間半の遠出もなんのその。
幸い上天気。美術館は素晴らしいロケーションにある。 Ⅰ.東京の近代美人画ー粋とロマンⅠのお気に入り ○池田輝方の《お夏狂乱》↓・・・清十郎の死を知って狂乱するお夏の眼。《幕間》・・・江戸寛政期の河原崎屋と大正期の歌舞伎座の女性たち。 ○鏑木清方の《二人美人図》↓・・・美しい着物の柄。 ○《紅葉可里図》・・・紅葉と幔幕の青の対比が素晴らしい。その幔幕を持ち上げてでてくる女性の着物の美しさ。そして置かれた扇子がものをいう。今回の松園のベスト。 ○《桜がり図》↓・・・まるで鈴木春信の錦絵。京都の画家にも浮世絵の影響が及んでいる。 ○《花》・・・桜が散ってくる中、3人の女性が年齢順に並んでいる。日傘の差し方にも年齢差が出ている。UVカットが必要なのは中年女性、もう顔の一部しか描いてもらえない。 ○《美人観書》・・・膝に置いた書物を眺める女性の目。これは知性が感じられる美人中の美人。 ○《志ぐれ》↓・・・水野美術館のおなじみの画。雨の中、傘をさし、身体を傾け、裾を押さえている姿が艶かしい。紅葉散る秋の情景。 ○伊藤小坡の《つづきもの》↓・・・女性は朝食の準備しながら新聞を読む。これは大正時代も現代も変わらぬ姿。女性ならではの画題である。台所の描写が細かい。 ○北野恒富の《鏡の前》↓・・・高崎で見た《暖か》と対をなす。着物の黒、帯の赤、着物の模様の飛天の目立つすらりとした女性。襖の縦と横の線が画面を分割している。デカダン的な雰囲気もある作品。 ○木谷千種の《おんごく》・・・格子越しにおんごく行列の中の子供を見つめ、亡くなった弟を偲ぶ象徴派的作品。素晴らしい画。 ○広津多津の《おしろい》・・・首筋に塗られたオシロイが目をひきつける。鏡を覗く目線も真剣である。全体のやわらかさが良い。 ○竹久夢二の《星まつ里》↓・・・夢二の世界は、わが国の美人画の系譜を超えている。 ○中村大三郎の《黒衣女人図》↓・・・黒の洋服、赤い椅子。お見合い写真のようだ。 ○寺島紫明の《姉妹》・・・きりっとした顔立ちの姉妹。見つめるさきには? ○梶原緋佐子の《花》の立派な体格の中国服女性は見事。 ○守屋多々志の《ウィーンの六段の調》↓・・・ブラームスとお香や琴との不思議な取り合わせ。夢か現実か分からない。 ○石本正の《のれん》↓・・・いつもの舞妓だが、着衣像で、厳しい顔つきは個性をしっかりと表している。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2008-04-26 22:17
| 国内アート
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