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「昭和の広重」、「旅情詩人」、「夕暮巴水」と多くのニックネームを持つ川瀬巴水にはファンが多い。とくに、巴水の没後50年ということで最近は川瀬の展覧会がしばしば開かれ、ブロガーの間でもその人気が定着しているようである。
自分の記事をみても(■千葉市:HP,BL、■ニューオータニ:HP,BL1,BL2、■礫川:HP,BL、■大田区:HP,BL1,BL2)とあふれている。 今回は、巴水の作品の中で、東京を描いた作品が取り上げた展覧会。 ![]() 第1章 川瀬巴水の東京風景: 初期作の《暮ゆく古川堤》のあとは、東京十二題の揃い踏み。これは迫力がある。《日本橋(夜明)》↓は見るも無残な最近の風景写真と並べられていた。 ![]() 第2章 川瀬巴水の版画と原画ー「東京二十景」を中心に: この章が今回の見せ所。大部分の作品が、左側に完成作、中央に水彩原画、右側に試摺というトリオで陳列されている。《東京二十景 明石町の雨後》では、原画の中央に描かれた女性↓が校合摺の段階で消され、完成作でも犬だけとなっているのが一番大きな変更だったが、雨を加える、明るさを変える、ぼかしを入れるといった細かい変更が加えられているものが多かった。巴水の感性の鋭さにあらためて感心した。 ![]() 第3章 川瀬巴水の活躍: 日本の展覧会カタログによって巴水の作品が伊東深水とともに多数出品されていることが分かったが、むしろ米国において高く評価された。1030年、1936年にはトレドにおいて展覧会が開かれたことがそのキッカケとなったらしい。1920-40年代に米国で盛業していたシマ・アート・ギャラリーの店主、「住居範吾」が1935年に一時帰国した際の資料が展示されていて興味深かった。 第4章: 広重の江戸、巴水の東京: 同じ場所を描いた作品が3点ずつ並んでいたが、100年も違えば風景が変わるのは当然である。江戸の広重と昭和の広重の相違についての切り込みがまったくなく、不満が残った。 第5章: 清親の東京、巴水の東京: 光線画の小林清親と夕暮画の川瀬巴水の比較は興味があったが、こちらもわずか2点の展示であるのみならず、分析が皆無である。 第6章 巴水の戦後の東京: 戦後12年間の巴水の作品は120点であるが、その中で東京を描いた作品はわずか10点であるという。変わりゆく東京は巴水の題材とはなりにくかったのはなかろうかと解説してあった。この10点のうち8点が展示されていたのでじっくり見た。たしかに戦前の作品とは違ってきている。しかし自分としては、「巴水が変わったのか、東京が変わったのか」についての結論は出せなかった。 第7章 映画「版画に生きる」: 今までに何回も見たものなのでパス。42分間も無駄にしたくない。 総じていえば、この展覧会は川瀬巴水の作品や資料を集めて、並べたという段階で止まっている。それはそれでありがたいのだが、折角の浮世絵ブームが明治以降にも広がりつつある中であるから、もう一歩踏み込んだ展覧会としていただきたかった。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2008-04-05 09:18
| 浮世絵
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