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「ルーブル-DNPミュージアムラボ」の第3回展。第1回のジェリコー《竜輝兵》は見にいったが、第2回の《ギリシャ小彫刻タナグラ》はパス。今回はテイツィアーノの日本初公開作だけに見逃せない。ルーブルでは見ているのだろうが、シッカリとした記憶がない。
完全ネット予約制なので混んでいない。前回にくらべ空いているような気がする。ネットでは満員となっているので、1時間あたりの人数を減らしているのだろうか。確かにこのような実験的なラボに多数の観客が詰め掛けたら、収拾がつかない。 例によって「イヤホーン付き携帯端末」を首にかける。そこには「ICタグチケット」も載せてある。確か前回のICタグチケットは「接触型」で、各ディスプレイの側の感知器(タッチパネル)に持っていって触れていたのだが、今回は「非接触型」の感知システムに進化しているらしい。「ICタグチケット」の他に、黒い布袋に包まれた円形の「センサー」のようなものも付いている。 まず、向かって左の部屋に入る。暗い部屋「16世紀のヴェネツィアの中で」にいくつかの映像が流れている。ひとつはヴェネツィアの古地図、あとの二つはヴェネツィア派絵画の一部。この部屋に入ると、前述の非接触型感知システムが作動して、イヤホーンから説明が聞こえだす。そこまではいいのだが、この説明と壁に投射されている映像が無関係なので、イライラする。電気工学的には進歩しているが、人間工学的には明らかな失敗。 向かい側のフォイヤーに入る手前のシアターで、「ラボの中で」、すなわちこの画の洗浄修復に関するムゼー・ド・フランスにおける「科学分析調査の過程」を見ることができた。説明の音声は非接触型システムによって自然に始まる。①直接光、②紫外線(ニスの状態)、③赤外線(素描)、④X線(白・光のハイライトを描くミネラル質)の順序での調査だが、今回X線検査によりいろいろな変更が加えられていることが分かったとのことである。1.聖母の視線:羊→イエス、2.聖母の手:膝→兎、3.兎の数:複数→単数(画面右下隅にもう1羽いる?)などである。また両端に欠損があるが、パルマ流のカテリナ様式で聖カタリナは半分しか描かれておらず、画の内容が枠の外まで広がっていっている、画の上下は釘か鋲のようなもので固定されていたなどということも分かったとのことである。 フォイヤーの中には、いくつかの画像表示システムがあり、個人的に楽しめるようになっていた。 画の奥行きを実感できる部屋「作品の構成の中で」はとても良くできていた。画が奥行きごとのレイヤーとなっており、部屋の奥に入ると背景のレイヤー画像だけになり、そこで左右に動くとその画像も左右に動き、部屋の手前に戻ってくると、画の中景のレイヤーが背景のレイヤーに重なってくる。さらに手前に戻ると少し前のレイヤー、入口近くに立つと前景のレイヤーが重なって、もとの画として観られる。このように自分が画の中に入っていって、そこから戻ってくるという感覚を得られる。 「自然の中で」では、ヴェネツィア派絵画の説明のビデオパネルが置いてあったが、これは観客の待ち時間調整のためなのだろうか。内容的にはつまらないが、それであれば人間工学的には成功。 「テイツィアーノの人生の中で」では、この画家の生涯を一冊のデジタル・ブックとして見せていたが、これも面白かった。そのページの説明が終わると、光点が本の左下隅に出てくるので、ページをめくると次のページの説明が始まり、説明中の画に光が当たってくるシステムである。 「絵画の中で」は、《うさぎの聖母》の細部を部分拡大画像で使って詳細に説明する自動プレゼンテーションシスムがある。内容はとても良かった。兎は原罪を免れたイエスの象徴であるとのことである。終わったところで「指さし」マウスで部分拡大・照度変更・色彩分析が出きるようになっていたが、これは単なるオアソビ。 最後に「視線をめぐって」のシステムの前に来た。混んでいたのでここは最後にしたのである。自分の他に並んでいる方が年配の人だったので、「お先に」とお譲りした。このシステムは「画のどの部位をどの程度長くみているか」ということを2回チェックするもので、いろいろな学習後、画の見方がどの程度進歩したかを検証すること目的としている。自分の番に来てやってみるとどうもおかしい。前のオバアサンのデータがわたしの初回データとして登録されてしまったらしい。非接触システムの誤認である。係りの方お願いして新しいICシステムと交換してやってみると、正確に作動した。初回は顔全体が動いたためかヘンナ結果となっていたが、二回目は顔を動かさず視線だけ動かしたのでそれなりの結果が出た。↓学習効果は、画の見方ではなく、この視線チェックシステムへの慣れであった。ただ、この画の右下隅にはどうみてももう一羽の兎がいるようで、そちらにも目が行っている。これはこのシステムならではのこと。 係りの人の話では、第1回展の接触型ICタグチケットは、感知器に一回触れるだけのもので、ON機構は良かったのだが、OFF機能に問題があった。そこで第2回展では、同じ接触型だが感知器に使用中は固定することとした。今回はフランス側の要望で非接触型にしてみたのだが・・。ということだった。いずれにしても実験中、発展中のシステムであるということを実感することができた。 第1回展のときと同じく、ICタグチケットの番号でネットから今回の自分の履歴や聞きのがした説明を聞きなおすことができた。第1回展の履歴も残っていた。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2007-11-18 13:33
| ルネサンス
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