久隅守景《耕織図屏風》 @東京国立博物館

　平常展の「屏風と襖絵」室に、久隅守景の《耕織図屏風》が出ていたので写真を撮った。この屏風絵は、耕作と養蚕を描いたもので、君主がそこに描かれている民の労苦をしのぶための鑑戒的性格の強いものである。また季節の推移は、通例とは逆に、左方↓から右方↓↓へ展開させている。　久隅守景は、狩野探幽門下の四天王と称され、国宝《夕顔棚納涼図屏風》などは高く評価されている。大和絵の伝統を吸収して漢画の日本化を目指した作風に特徴があり、加賀藩の前田家に招かれて、金沢に滞在したことがわかっている。

「書画の展開」室には、山水図が三幅もでていたので、これもまとめて撮影した。向かって右の二幅は対。久隅守景の絵はいつもすっきりとしていて気持ちが良い。
美術散歩　管理人　とら