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この展覧会の解説をメールで送ってくれるというサービスがあると聞いて、千葉市美術館に電話した。「担当者が休みなので、日曜日はダメよ」というご返事。そこで、会場に入るなり、赤いファイルを一冊抱えて、それを読みながら観ていった。これは良いようで悪い。知識から入ると、頭でっかちで、肝心の鑑賞がお留守になりがち。以下はそのような本末顚倒の記事である。
イントロダクション 第1部 若冲の時代、みやこの画家たち 円山応挙が3点。《鉄拐蝦蟇仙人図》が面白い。蝦蟇仙人が伴っている白い蝦蟇の口から雲気が漂っており、杖をつく鉄拐仙人は口から分身を吐き出している。《群鳥・別離・鯉図》や《秋月雪峡図》も良かったが、よく見るモチーフ。 呉春《漁樵問答図》は、世俗を離れて暮らす漁師ときこりを描いた文人画だが、なぜか水陸が逆転している。 長沢芦雪が3点。《松竹梅図》はよくある吉祥画だが、《群仙図屏風》は面白い。波の上を渡って左の蓬莱山に向かう仙人たち。右に遠くになるほど小さくなっていく人間が描かれている。牛に乗った老子、鬚をはやして剣を背負った呂洞賓、大ぶりの瓢箪を持つ張果老、杖をついた李鉄拐、カスタネットのような拍板を持った藍采和。 《花鳥蟲獣図巻》↓は、曽道怡が先に墨竹を描き、長沢芦雪が酒を呑みながら草花や動物を描き加えたとのこと。子犬があちこちから顔を出すところは応挙も顔負け。 池大雅の文人画が2点。《竹梅図》は何故か賛が竹と梅とで逆。ミスはどこにでもある。夫人の徳山玉瀾の《蘭図》も良かった。 「虎の岸駒」の描いた《鶴図》があった。息子の岸岱の《群蝶図》は、最近見た金刀比羅宮「菖蒲の間」の障壁画《群蝶図》のサマリーのような美しい画。 曾我蕭白の《竹に鶏図》の鶏は若冲に負けないほどうまい。《山水図》」は、梅を愛し、鶴を共とした詩人を描いたもの。《虎渓三笑図》はうっかり橋を越えて大笑いする慧遠法師、陶淵明、陸修静。落ちてくる滝の流線がきわめて直線的で奇想的。 第2部 若冲の時代のハイカラ趣味 南蘋派の画家たち ここには摘水軒記念文化振興財団の所蔵作品がたくさん出ていた。柏の寺島文化会館はこの9月で閉館とのこと。良いタイミングで鑑賞できた。 沈南蘋は18世紀に2年間長崎に滞在し、その精緻な写実と豊かな色彩は当時の日本画に大きな影響をあたえた。伝沈南蘋の《鶴鹿図》は、滝のある風景のなかに鶴と鹿を配置した構図である。 熊斐文、勝野范古、築山等温、黒川亀玉、二代黒川亀玉、脇坂一道、諸葛監、宋紫石、鏑木梅渓、金子金陵らの南蘋派写実画をまとめて観ることができたが、比較的個性が乏しいので、最後には飽きてきた。 印象に残ったのは岡本秋睴の《孔雀図」ぐらいである。 第3部 そして若冲 色に酔い墨に浸る 伊藤若冲の三幅対水墨画《寿老人・孔雀・菊図》は、寿老人が後ろ向き、孔雀が横向き、菊は正面向き。筋目描きの手法が、菊や孔雀の表現に用いられている。この画も「江戸絵画の楽しみ」で観ている。 大典の跋のある若冲の拓版画の《乗興舟》は淀川の川下りの情景。三井記念美術館で観たばかりであるが、こちらのほうが良かった。 《雷神図》は、太鼓を追いかけて空から落ちてくるユーモラスな雷神。これが今回のマイ・ベスト。《海老図》↓は、長寿を示す腰の曲がった海老。その胴体には筋目描き。《若冲画帖》も出品されていたが1ページだけみても全貌がつかめない。 この展覧会は、江戸絵画も中国絵画の影響なしには発展しえなかったことを示しているが、南蘋派と若冲などとの具体的な関係についてもう一つ突っ込んだ説明をしてもらいたかった。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2007-08-24 15:22
| 江戸絵画(浮世絵以外)
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