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日展の前身である文部省美術展覧会(文展)が発足した明治40年(1907)から数えるとちょうど100年。それを記念してこの展覧会が開かれているのだが、昨年まで日展が開かれていた東京都美術館ではなく、オープンしたばかりの新国立美術館というのも一つの歴史の転換点である。
事実、最初の文展設立の7年後の大正3年(1914)には、文展の運営に不満を持つ画家たちが二科会を結成し、以後さまざまな在野の美術団体が誕生した。戦後は、前衛藝術の展開などの美術界の多様化に伴い、日展は美術界の限られた部分となってきている。 今回の展覧会は、全国各地で開かれるが、展示作品はそのたび毎に異なっている。だれがどのように出展作品を選んだかは不透明であるが、教科書に載っているような作品も沢山あるわけだから、どれを選んでも間違いがないともいえる。ただ、すぐ近くにある東京国立近代美術館から多くの作品を移動してきたのは、高い入場料を取る展覧会としてはいかがなものであろうか。以下、章別にお気に入りをあげてみる。 第1章文展 上村松園≪花がたみ≫(ポスター↑の右図)・・・女性の狂気が迫ってくる。竹内栖鳳≪アレ夕立に≫・・・扇で顔を隠す仕草が艶かしい。土田麦僊≪髪≫・・・鏡に向かう湯上りの女性。これも顔が見えないところが良い。中村不折≪白頭翁≫・・・有名な漢詩をモチーフにした老人と若いカップル。力強いタッチである。木下藤次郎≪穂高山の麓≫・・・小島烏水と一緒に登山したときの美しい水彩。背景の雪渓は岳沢か。石橋和訓≪美人読詩≫・・・イギリスの女優。師事したサージェントの影響が感じられる。辻永≪初秋≫・・・この「山羊の画家」の山羊の周りの草はセガンティーニの山の草原のようだ。中村彝≪小女≫↓・・・恋人であった新宿中村屋の俊子。「月餅」のようにふっくらとした顔と体つき。眼がクリクリしていて憎めない。背景の色彩が鮮やかである。 第2章 帝展 石崎光瑤≪燦雨≫・・・色鮮やかな南国の情景。スコールに驚いて飛び立つ鳥たち。同じような画を、今年、松伯美術館で観た。堂本印象≪訶梨帝母≫・・・安産の神様、鬼子母神のこと。西洋画のトリプティクの体裁。中央は十字架をかけ天平風の髪形の母親がマリアのように幼子を抱き、周りに4人の天使ならぬ子供が描かれ、右図には蓮、左図には石榴をもった女性像。これは仏教とキリスト教の世界の混淆である。宇田萩邨≪簗≫・・・飛び跳ねる鮎がきわめて新鮮。これを狙う鳥はあまり元気がない。児玉希望≪山とよむ≫・・・「とよむ」とは「響く」の意。広島県立美術館には児玉の良い作品が多い。結城素明≪炭窯≫・・・縦長の作品。その中央にそびえ立つ1本の高い木によって山深い奥行きを感じさせている。藤島武二≪東洋振り≫(ポスターの左)・・・西洋古典絵画のような横向きの肖像。衣装や団扇に描きこまれた文様がしつこく中国的である。吉田博≪帆船 朝・午前・霧・夜≫・・・モネのような光の変化をとらえた新版画。伊原宇三郎≪二人≫・・・新古典時代のピカソを髣髴とさせる力強い裸体像。山崎朝雲≪雪舟像≫・・・彩色された雁皮桜の像であるが、まるで衣服を着ているようである。 第3章 新文展 西村五雲≪麦秋≫・・・二匹の子牛とセニアオイ。石井鶴三≪相撲(三)≫・・・土俵際で体を反らしながらこらえる姿。まるでドガの踊り子のように一瞬をとらえたブロンズ。吉田三郎≪山羊を飼う老人≫・・・落ち着いた良いブロンズ彫刻。山鹿清華≪「熱河」壁掛≫・・・駱駝の親子。すごい迫力である。 第4章 日展 中村岳稜≪残照≫・・・朱色一色に染まった空に黒い枝が手を伸ばすように描かれている。徳岡神泉≪枯葉≫・・・周囲に溶けこむような枯葉。橋本明治≪鏡≫・・・小気味の良いクロワソニズム。梶原緋佐子≪夕立≫。奥田元宋≪かい≫・・・得意の紅葉に三日月。池田遥邨≪稲掛け≫↓・・・曲がった稲束が縦長の画面を切り裂く不思議な構図に加えて、その下からタヌキが顔を覗かせるユーモラスな画。京都国立近代美術館で観た≪朧夜≫の狐を思い出す。中村卓児≪赤いブラウス≫・・・すっきりしている。国領経郎≪跡≫。川村驥山≪酔古堂剣掃語≫・・・読みやすい書。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2007-08-05 13:28
| 国内アート
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