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![]() 本を使ったインスタレーションのある廊下を通って、美の教室へ移動。会場の地図に主な展示作品のアイコンを張り付けてみた。クリックで拡大。 ![]() ![]() ウィーン美術史美術館にあるフェルメールの《絵画芸術の寓意》を模した森村の《フェルメール研究(大きな物語は、小さな部屋の 片隅に現れる)》という国立国際美術館所蔵のカラー写真。制作舞台となった原寸大のセットが再現されている。 液晶ビデオ画面で森村がミューズや画家として画面となる制作舞台に入っていくところが動画表示されている。見ているものも『鏡の国のアリス』が鏡の中に入っていったように、絵画の世界に入り込んでいくような感覚を味わうことができる。 2時間目:ゴッホ・ルーム [釘つき帽子の意味] ![]() 絵画の世界に入った後は、森村自身が作品に「なる」時間。ゴッホの《耳を切ってパイプを加える自画像》を模した森村の《肖像(ファン・ゴッホ)》では、帽子や服装の感じを出すため、材料として布ではなく粘土を使ったというお話。そのとき使ったパイプがアルルの《荒れ模様の空と畑》の画の中に入っているのも面白い。 ベラスケスの《王女マルガリータ》の中に森村が入っている作品が二点。服装とともに展示されていた。またセザンヌの《静物画》を模した作品では、リンゴが森村の顔になっている。部屋の中央にその縮小模型が置いてあった。 3時間目:レンブラント・ルーム [負け犬の価値] ![]() 森村の作品は、どれもが自画像であるともいえる。森村は、生涯を通じて自画像を描き続けたレンブラントの作品に「なる」ことに成功しているのである。ここには全部で10点。とくに老人の皺の表現は抜群。メーキャップの勝利でもある。 部屋の入口から中をみると、正面にドレスデン国立絵画館の《居酒屋の放蕩息子》を模した《放蕩息子に扮するセルフポートレート》が見え、周りはすべてレンブラントまがいの絵画である。思わずドレスデンのことが頭の中をよぎった。そこでは、《居酒屋の放蕩息子》のはるか遠方に対面していたのは、ラファエロの《システィーナのマドンナ》だった。 4時間目:モナリザ・ルーム[モナリザの、モナリザの、そのまたモナリザ] ![]() 森村の作品の基本である「ものまね」を非難する人がいるが、文化は常に「まねる」という行為によって引き継がれているものであるということを認識させたいらしい。《モナリザ》を模した作品が3点あったが、いずれもグロな感じであまり好感が持てなかった。 モナリザの顔をくり抜いた板が置いてあって、穴に顔を入れると、向こうに置かれた鏡に自分が写る。鏡の上には鏡文字の文章。生徒がモナリザになってみることを通じて、「まねる」という行為をあらためて考えさせる授業。 マネの《フォリー・ベルジュール劇場のバー》を模した作品が2点、クラナッハの《ホロフェルネスの首を持つユーディット》を模した作品も2点観られた。 5時間目:フリーダ・ルーム [眉とひげ] ![]() マネは《オランピア》で少年のような肉体の女性を描いているが、森村はこの中に吸い込まれていくような気がしたと述べている。 オランピアにおいてもフリーダ・カーロにおいても、森村の両性具有的な態度が表れているようである。 6時間目:ゴヤ・ルーム [「笑い」を搭載したミサイルの話] ![]() ゴヤの《ロス・カプリチョス(気まぐれ)》を模して、森村は「笑い」を大切にした作品をいくつも作っている。怒りに満ちた世界を救うことができるのは、政治家でも軍人でもなく、「笑い」を生み出すことができる美術だという考えに基づいている。《今、こんなのが流行っているんだって》という漫画のような画が面白かった。《アルバ公夫人》の2点も良くできていた。 また、ナポリ美術館所蔵のブリューゲルの《盲人の比喩》を模した《お金に眼がくらんだ人》は、現状をそのまま風刺しているもので、笑うに笑えなかった。 放課後:ミシマ・ルーム 一日の授業を終えて、放課後の校庭にあるのは、森村のビデオメッセージ《なにものかへのレクイエム(烈火の季節)》。自分の美学を追求して自殺した三島由紀夫に成り代わった森村は、「七転八起」のはちまきを締めて、「清聴せよ」と叫びつつ、「芸術擁護」の大演説をうっている。しかし教師がこのようにと叫ぶのは教育的ではない。床に《薔薇刑の彼方へ》という三島の異常性の感じられるオブジェが転っているのだから、なおさらである。 その後、簡単なワークシート型の試験を受けると、修了証↓がもらえた。 ![]() 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2007-07-20 19:52
| 現代アート(国内)
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