飛鳥美人の取り外し @高松塚古墳

　劣化の進む高松塚が解体され、壁画のなかでもっとも名高い飛鳥美人の取り外しに成功したとのニュースがあった。瀕死の状態にあった飛鳥美人に対する緊急手術が順調に進んでいるということでひとまず安堵している。

　高松塚古墳は、結果から考えると埋め戻しが正解だった。イタリアでも中国でも、発見した遺跡の多くを埋め戻し、次の世代に託している。

　このように解体を必要としている高松塚古墳については、以前からホームページやブログ上で発言してきたが、今回のニュースをきっかけにもう一度この問題を考えてみたい。いずれにせよ、劣化するまえの飛鳥美人の画像（→、↓）を見ると、まことに取り返しのつかない失敗であった。人類の文化遺産をここ数十年で劣化させてしまったわれわれ「現代の日本人」は「将来の世界の人びと」に対して謝罪しなければならない。
美術散歩　管理人　とら

(追　記） 今回の写真が公開された。説明は不要だろう。嘆くばかりである。