アルフォンソ・ミュシャ館ー堺市文化館

　NHKテレビの人気番組をまとめた「迷宮美術館第3集」でこの美術館があることを思い出した。先月プラハのミュシャ美術館を訪れた時にそこの館員の方が、「良いものはいろいろな場所に散ってしまって！」と嘆いておられたが、灯台下暗し！！！堺市にミュシャの大コレクションがあるのだ。　アルフォンソ・ミュシャ館が入っている堺市文化館は堺の駅から歩いてすぐということで、南海電車の堺駅の回りを捜したが見つからない。何人もの人に聞いたが分からない。やっと観光案内所へ飛び込んで、事情が判明した。堺市文化館はJRの堺市駅の近くなのだという。「どうやって行くの？」と聞くと、気の毒そうに「バスもありますが・・・」ということである。天王寺まで戻るのも癪なので、タクシーに乗る羽目になった。タクシーの運転手曰く「堺には駅が三つありまっせ！」堺という街が町村合併の結果ひどく膨張したためのこと。十分納得できる説明ではないが、旅行者に不親切な街であるということだけは理解できた。
　
　堺市文化館はJR堺市駅から直結したマンションのようなビルの中にある。味も素っ気もないビル。しかし中のコレクションは素晴らしい。しかも各部屋に親切な解説パンフレットが置いてある。今回の企画展の名称は「アール・ヌーヴォーの華ーミュシャの夢」である。

　大作《ハーモニー》↓、珍しい《ウミロフ・ミラー》↓↓、世界の宝《蛇のブレスレットと指輪》↓↓↓は必見である。この世界的コレクションは「カメラのドイ」の土居君雄氏が堺市に寄贈・寄託されたもの。素晴らしいメセナである。　超立派なカタログがあったが、次の美術館まで持っていくには重すぎるので、金200円也のミニパンフレットで我慢した。帰ってから本棚を見ると1995年にBunkamura、1996年に郡山市立美術館で観た《アルフォンス・ミュシャ「生涯と芸術」展》のカタログがあった。その中には、堺で観てきたた画がたくさん載っていた。これこそ灯台下暗し！！！！！この10数年前の展覧会の記事は自分のホームページに載せてあった。

　今回の感想はホームページにも書いた。

　同じ文化館内の「与謝野晶子文芸館」も覗いてきた。堺で生まれたこの女傑の全貌がよく分かった。帰りは間違えなくJRに乗った。

美術散歩　管理人　とら