中欧美術散歩ー１０（ウィーン第1日）

移動はもっぱらトラムと地下鉄。

１．分離派会館(Seccesion)：　前日ウィーンに着いてすぐに観にいった。ホンモノのベートーベン・フリーズはやはり凄い。模作は日本で2度もみたが、これほどの金の光ではなかったような気がする。建物自体も素晴らしい。
２．ベルベデーレ宮殿上宮(Schloss Bervedere, Oesterreiche Galerie)：　ここは朝一番で行った。 上宮と下宮の間のバロック庭園からのウィーンの街の眺望は最高。 内部のクリムトの部屋は充実している。《接吻》がエース。4点ばかりアメリカに持っていってしまわれたが、この部屋の価値はそれほど下がっていない。それに比べて裁判で勝って自分のものとし、すぐに競売にかけて売ってしまったアメリカ人女性の「品格」のなさが語り継がれる場所となってしまった。

３．美術史博物館（Kunsthistorishe Museum)：　　入ってすぐのところにある天井画も良かった。でもこれはクリムトの作品ではないようだ。ここも名画の宝庫。とくにブリューゲルの部屋が素晴らしかった。

４．造形芸術大学絵画ギャラリー（Gemaeltgalerie, Akademie der Bildungskunst)：　　古ぼけた大学の3階の展示室。ボッシュのトリプティク《最後の審判》は修復中だったが、ガラス越しに観られたので良かった。最近損保ジャパンの展覧会で観たものに多数再会。
５．ウィーン美術館カールスプラッツ（Wien Museum Karlsplatz)：　日本でもお目にかかったクリムトの《フレーゲ》に久し振りに再会。彼の唯一のプラトニック・ラブの対象であった女性の肖像は装飾性が少なく、優しい。

美術散歩　管理人　とら