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今回、埼玉県立近代美術館で開催されているマンダラ展には「チベット・ネパールの仏たち」という副題がついている。ネパール、モンゴル、ブータン、インド、チベットのマンダラは極彩色なのである。しかも現在も作成されているのである。今まで日本で観てきたあの古びたマンダラとは天と地ほども違う。
大体、仏像そのものも違う。有名な男女二尊が抱擁しあった「歓喜仏」も沢山出ている。怖い仏も多い。とにかく百聞は一見に如かず。 密教とはなんであるかもこの展覧会で学んだ。小中学生用の説明があるので分かりやすい。密教の経典はタントラと呼ばれたいるが、tan=延びる、tra=接尾語で、わたくし「とら」も無関係ではない。それはともかく、密教はタントリズムと呼ばれ、仏教タントリスムのほかに、ヒンズー・タントリズムやジャイナ・タントリズムもあるそうである。このように「広義の密教」すなわちタントリズムとは、呪術的要素の強い神秘主義的な宗教形式を指す一般名のようである。 BC4-5世紀にゴーダマ・ブッダによって開かれた仏教が紀元前後に大乗仏教(北方仏教)とそれまでの小乗仏教(南方仏教)に別れ、このうちの大乗仏教のほうに仏教密教が派生してきたとのことである。 密教では活動のシンボルとして右手に金剛杵、智恵のシンボルとして左手に鈴を持っているが、このようなシンボルの意味を表現するために「儀礼」が行われている。 「マンダラ」は、この儀礼のツールで、宇宙と自己を一体化するために瞑想する修行者の心のガイドブックとなっている。。マンダラが、宗教や時代、地域を越えて普遍性を持つ図形として現在も注目されている理由はそこにあるのだということが理解できた。 最後に今回来日したチベット僧たちの砂絵マンダラの作成過程をビデオで見た。驚いたことにはマンダラが完成した後、祈祷し、すぐにこれを壊し、その砂を容器に入れて荒川に流してしまった。 仏教にしても日本は世界の最果ての地である。マンダラにしても日本の常識は世界の常識ではないことがよく分かった。まだまだ勉強することが多いと感じた。 そこで帰途、本屋に寄って、頼冨本宏著「密教とマンダラ」(NHKライブラリー)を購入して読んでいる。仏教、大乗仏教、中期密教、後期密教の伝達の時代的相違によって、現在の密教の地域的相違が生じていることが分かり、チベット・マンダラとわが国のマンダラの相違の原因もおぼろげながら理解することができた。 詳細はホームページに書いた。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2006-09-01 22:18
| 仏像
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