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←この本は近所の図書館で家内が借りてきてくれたものです。藤田嗣治展以来、私が戦争画のことを気にしていることを知っていたからだと思います。
著者は、藤田嗣治と松本竣介を対峙させながら、「積極的に戦争記録画を描いた画家」と「消極的ながら戦争画とは一線を画した画家」について文献を紹介しながら詳細に論じている。結論的には、前者に対しては批判し、後者については共感していると書きたいようである。 しかし、よく読んでみると、著者の批判なり、共感なりがストレートに表現されておらず、微妙に揺れていることに気づく。著者はもともと画家でプロの物書きではないため、話があちらへ飛んだりこちらへ戻ったりすることはやむをえないとしても、この揺れはそれだけではない。著者自身の考えに迷いであるためではなかろうか。 大東亜戦争をしぶとく生き抜いた世代はポジティブにせよネガティブにせよ戦時の行動を激しく自己弁護している。著者のようにこの戦争を子どもの時に体験しただけの世代は前の世代の行動に批判的であるが、『いざ自分がその立場に置かれたならばどのような行動をとるであろうか』ということも考える。偶然、私も著者と同年の生まれであるので、著者の迷いについては理解できる。 この本の最初に「ホロコーストの犠牲になったユダヤ人画家たち展」のカタログによせたシャガールの献辞が紹介されている。 今、私は私自身を離れ、私の実体を離れて、彼らの知られざる墓におもむく。ナチスのユダヤ人狩りに遇わずにすんだことで、シャガールは苦しんでいるのです。戦争画を無批判に描いた画家もそれをむやみに批判する者もシャガールの献辞を噛みしめる必要があるような気がしています。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2006-05-18 23:46
| 戦争画
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