心の磁石が北をさす～洋画家 相原求一朗～@日曜美術館

番組放映年月：12月23日(日) 09:00〜09:45

オンエア情報：

北海道を描く洋画家の第一人者と言われた相原求一朗。生誕100年を迎え、故郷の川越市美術館で展覧会が開かれている。なぜ故郷と無縁の北海道を描いたのか背景を探る。

番組内容：

大正7年、川越の商家の家に生まれた相原は、親の反対で美術学校に行くことをあきらめ家業を継ぎながら独学で絵を学んだ。

そんな相原の転機は戦争で満州に従軍したこと。

そこで描いたスケッチブックに後に北海道に通うことの理由を解くカギがあった。

それはいったい何なのか？そして北海道の冬の景色にこだわった理由とは？

北海道出身の女優の「高橋恵子」が相原の北海道へのスケッチ旅行の足跡をたどり、その謎をひもといていく。

【ゲスト】女優・高橋恵子、作家・高橋玄洋【司会】小野正嗣、高橋美鈴

「幸福駅」に立つ女優・高橋恵子さん。　女優・高橋恵子さんが訪れた北海道・中札内・相原求一朗美術館《春宵・斜里岳》1995年：女優・高橋恵子さんは以前「斜里」に住んでおり、その寒さを実体験している。　《洋画家・相原求一朗》大正7年（1918年）生、秋山庄太郎撮影相原求一朗《冬の風景》：相原が、北海道の冬の風景を自分で撮っていたシネ・フィルムが残っている。大正7年（1918年）生まれ。家族写真：左から母よし・次男芳次郎・三男康之助・本人長男求一朗・父茂吉。相原求一朗《醸造会社と田園の風景》1929年：学校で誉められた作品。相原求一朗自宅（川越市）。石黒勲秘書談：北海道に初冠雪がくると、先生は踊るような形で、北に向かわれた。弟への画材無心の手紙。相原求一朗《牛》大陸での作品。相原求一朗《凍る溝》大陸での作品。画家としての戦時中の自分の心境を書いた弟への手紙。相原求一朗《晩秋》：大陸の夕陽を好んで描いた。相原求一朗《夕雲》：大陸の夕陽を好んで描いた。相原求一朗のシネ・フィルムより：北海道の風土が、かって多感な青春時代を過ごした満州と似ている。相原求一朗のシネ・フィルムより：私は不覚にも涙した。「赤い夕陽の満州」がここにある。石黒勲秘書談：先生は、行きたいところを描いた北海道の地図描いたノート持って出かけられたが、最も行きたかったのは、最北端の「襟裳岬」だった。相原求一朗《岬の家》襟裳岬　1974年。相原求一朗《岬の家》襟裳岬　拡大図。相原求一朗《岬の家》襟裳岬　部分図。《岬の家》襟裳岬を見る女優・高橋恵子。若い時に見た《北の十名山・斜里岳》を見る女優・高橋恵子。昭和19年（1944年）妻・麻木さんと結婚。結婚後、初入選があった。相原求一朗《白いビル》1950年。相原求一朗《白いビル》新制作派協会展・初入選、1950年。相原求一朗は、この頃具象と抽象で悩んでいた。《自画像》1955年松本勲秘書談：相原求一朗は、こっちの社員の方にも当たってきた。相原求一朗は北海道に向った《雪の中の列車》相原求一朗が狩勝峠で見た《風景》1962年（↓）には、具象も抽象もなく、相原の今後の進むべき方向を教えてくれていた。相原求一朗が降雪の中で描いた中止前日の《幸福駅》部分。相原求一朗《幸福駅》1987年２月１日。明日の最終列車の安全を祈って相原が雪の中で描いた絵。作家・高橋玄洋が銀座の画廊で見つけて、大切にしていた相原求一朗作の《浜辺への道》1976年。相原求一朗《パノラマ写真》。パノラマ写真の分割。《天と地と》分割したパノラマ写真から合成した相原求一朗の遺作。
作家・高橋玄洋：無常観のようなものが絵の中にある。日中戦争の時に相原求一朗が得たものなのだろう。美術散歩　管理人　とら