英雄たちの選択スペシャル「ニッポンを斬る!歴史を創った名刀たち」
放送年月日:2018.10.25(木)午後8時~10時
ブログ・その1.⇒
こちら。
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名刀コレクション1:名物《
三日月宗近》。
《三日月宗近》は、「天下五剣」に数えられる名刀中の名刀。京都の刀匠・三条宗近の最高傑作とされる。
刃文の縁に、三日月の模様が連なるところから、この呼び名がついたという。
《三日月宗近》は、「剣豪将軍」と呼ばれた足利義尊が所蔵したと伝わる。
名刀コレクション2:名物《
へし切長谷部》。
名物《へし切長谷部》は、織田信長が棚の下に隠れた茶坊主を棚ごと「圧(へ)し切った」という逸話を持つ。
名物《へし切長谷部》は、黒田官兵衛が信長から拝領したとされ、黒田家の家宝として大切に守り続けられた。
皆焼(ひたつら)と呼ばれる刀身全体に広がる刃文も名物《へし切長谷部》の見どころである。一般的な刀剣類は刃先部分のみに焼入れがなされるが、刀身の刃部のみでなく、平地・鎬地・棟の各部が焼入れがなされた刃文を「皆焼刃」と称する。
名刀コレクション3:《
吉行》坂本龍馬愛用の刀。
《吉行》幕末の英雄、坂本龍馬の愛刀。
慶応3年、京都・近江屋で坂本龍馬が暗殺された際の龍馬の、佩刀は吉行の作であった。これは坂本家の先祖伝来の刀であったが、兄の権平より贈られたものである。
徳川吉宗と日本刀:太平の世における刀の役割。
享保元年(1716)、徳川吉宗 江戸幕府第8代将軍に就任。
吉宗、「享保の改革」を実行。
吉宗自身、自分の食事を一日2回にするなど「質素倹約」を旨とし、他の武士にも「質素倹約」を要請していた。
吉宗の時代は刀剣の必要が低下した「太平の世」であり、刀鍛冶が激減していた。
この時代、刀剣は贈答品となっていたからである。
贈答品の金銭的価値は「折紙」(↓)に書かれていた。
折紙は、刀剣研磨を業とする本阿弥家が発行し、中にはそれぞれの代金が書かれていた。
脇指折紙。
実用的な刀剣製作:吉宗は、古刀の写し(新刀)製作の必要性を感じていた。これは古刀を贈答品として利用している状況への反発だった。
そのことは「享保名物帳」に記されている。
黒川古文化研究所・川見典久氏曰く:新刀の製作には、士風の復興・刷新だけでなく、贈答品としての刀剣を排除するという実用的な意味があった。
吉宗は、諸大名に領内鍛冶の報告を行わせ、その中からとくに優れた刀工277名を報告させた。うち四名を江戸に招き、古刀の写しを行わせるなど日本刀再興への足がかりを作った。
刀剣の斬れ味の重要性。関東では切れ味が重要視された。
刀剣試し斬りの重要性。
試し斬り1
試し斬り2
試し斬り3
番組司会者の現役刀鍛冶探訪。
司会の磯田氏が現役最高峰の刀鍛冶河内国平氏(奈良県東大和村在住)を探訪。
鍛刀場(工房)。
待ち受けていたのは、暗闇に燃えさかる炎。
汗ばむ熱気があたりに充満している。
燃料の炭を切る音、 鋼を溶かす水の音。
上質の鋼「玉鋼」は、火床の中でおよそ700℃で熱せられる。
「ふいご」から送られる風で、玉鋼が一気に加熱されていく。
河内国平氏の鍛冶場における火花散る鍛錬。
司会者・磯田道史の現代最高峰の刀鍛冶(刀匠)河内国平氏訪問。
2014年「正宗賞」受賞。
乱れ映り。
番組司会者・磯田道史氏と刀匠・河内国平氏の対談。河内国平氏曰く:「乱れ映り」は日用品の磁器にも見られるので驚いた。
本阿弥家当主の刀研ぎ
人間国宝・本阿弥光州氏 79歳。初代・妙本氏から25代目の本阿弥家当主。
本阿弥光州氏曰く:時代や刀工によって特徴が異なる日本刀。一振りを研ぎあげるのにおよそ3か月かかる。
その御刀に合った研ぎを心がけるわけですけど。
その刀匠に合った地鉄(じがね)を最高に出してあげるのが。
私どもの仕事でございます。
本阿弥家が2代将軍・徳川秀忠から授かった安堵状。本阿弥家の家宝として大切に受け継がれてきた。
現代の演武。
幕末の剣術ブーム:斎藤弥九郎の教え。
幕末の剣術ブーム。
江戸三大道場。神道無念流「練兵館」、北辰一刀流「玄武館」、鏡新明智流「士学館」。
斎藤弥九郎(1798~1871)。
斎藤弥九郎曰く:刀は決して抜いてはならない。
斎藤弥九郎は、寛政10年(1798)、現在の富山県氷見市に生まれた。
江川英龍(1801~1855)
江川太郎左衛門。同門の斉藤弥九郎は、開明的で新知識を多く持っていた太郎左衛門から、海外の趨勢や新時代の扉を開く世の動きを教えられた。
神道無念流の剣術道場「練兵館」は、文政9年(1826)、斎藤弥九郎によって開かれた。「技の千葉」(北辰一刀流・玄武館)、「位の桃井」(鏡新明智流・士学館)と並び、「力の斎藤」と称され、後に幕末「江戸三大道場」の一つに数えられた。
「練兵館」の「塾中懸」。
吉田松陰。剣豪・斎藤弥九郎の教え。
吉田松陰の手紙。嘉永5年8月4日 山縣半蔵宛書簡。斎藤弥九郎はよく外国のことを放してくれます。いろいろと珍しい話を聞かせてくれて大変為になります。
斎藤弥九郎の長州藩の弟子:桂小五郎・高杉晋作・伊藤博文・井上薫。
斎藤弥九郎曰く:武は矛(ほこ)を止むるの義なれば少しも争心あるべからず。
斎藤弥九郎の弟子・近藤勇の刀。銘・大和守源秀國
斎藤弥九郎の弟子、土方歳三勇の刀。銘・大和守源秀國。
美術散歩 管理人 とら