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現在三菱一号館美術展で開かれている「ルドンー秘密の花園」展のブログ記事はこちらである。
以下は、漫画家・故水木しげる氏が、「アサヒグラフ別冊・美術特集・西洋編7・ルドン p84~85、1989」に執筆された随想「ルドンと私」からその要旨を引用したものである。 ・ぼくは、滅に、ルドンが好きで、たまらないというわけでもない。“変わった絵だ”というのが子供の時からの印象だ。 (中略) ・ルドンの絵を初めて見たのはずいぶん昔のことだ。学校の図書館で『世界美術全集』をみた。その中に、目の玉があくまでも空に昇る絵をみた。”ルドン”と書いてあった。世の中には不可思議な絵をかくものもいるなあ、と思う一方,ぼくも妖怪が好きだったから、ルドンがいるなら妖怪だって許されるのだ、と思い、気を強くした。 ・また、無限に空に昇る眼球なるエッチングは、鬼太郎の親父の目玉を発想するのに役立った。 ・というのは、ぼくは丸い目玉とか丸い模様が好きだ。ルドンがそうだ。丸い目玉もさることながら『沼の花』という光る植物みたいな顔の絵があるが、これも“丸”だ。 ・妖怪というのは青天白日の下では具合が悪いので、やはり“暗夜”を好む。うると、どうしても”黒”の分量の問題が問題になる。そんなことから、ルドンの”黒”はうまいと感ずるようになった。 ・ルドンは晩年になってパステル画を始めるが、これがまた面白い。すでに黒の中にいろいろの色を含んでいたわけだが、その色が晩年になって出てきたのであろう。 (中略) ・ルドンは、デルヴォーなんかとくらべて厳しいし、孤独だ、それにどことなく寂しい。人間が晩年に感ずる絵なのかもしれない。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2018-02-21 23:46
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