ボストン美術館「パリジェンヌ展」＠世田谷美術館

天気予報では今日は暖かいお出掛け日和ということなので、世田谷美術館へ車で出かけ「パリジェンヌ展」を見てきた。　

入場券の左はマネの《街の歌い手》、右はサージェントの《インチズ夫人》。世田谷美術館は、2017年7月3日～2018年1月12日の間、改修工事のため休館していたので、これが休館明けの展覧会ということになる。

今回の展覧会は、1階と2階の両階を使っていたが、床がきれいになり壁が少なくなって会場がとても広くなったように感じた。
　
第1章　パリという舞台―邸宅と劇場にみる18世紀のエレガンス

この章のお気に入りは下記の2点。

・《ドレス（3つのパーツからなる）》ロココ風のローブ・ア・ラ・フランセーズ
・ランクレ《踊り子の肖像》ロココの雅宴画を得意としたランクレの作品。
・ドルーエ《トルコ風の衣装を着たマルグリット・カトリーヌ・エノー嬢》ルイ15世の寵愛を受けた女性。

第2章　日々の生活ー家庭と仕事と、女性の役割

お気に入り作品は下記。

・フラゴナール《良き母親》社会的に期待される母親像が描かれている。
・クチュール《未亡人》画面の暗さが貞淑な未亡人を暗示。
・ファンタン＝ラトゥール《窓辺で刺繍をする人》画家の姉妹。
・ボワイー《アイロンをかける若い女性》
・ドーミエ《青鞜派ー第28図ー私ほどの女性に、ボタン付けをしてくれですって・・・》社会派のドーミエも女性の独立には懐疑的。第3章「パリジェンヌ」の確立ー憧れのスタイル

・ヴィンターハルタ―《ユニヤビッチ夫人》
・ブーダン《海岸の着飾った人々》
・ウォルト《ドレス（5つのパーツからなる）》オートクチュール。紫色が美しい。・サージェント《インチズ夫人》パリジェンヌになり切ったボストン社交界の花形。
・ウィリアム・モリス・ハント《マルグリット》ボストン娘がパリ流行のお下げ髪。
・シェレ《春》・《夏》・《秋》・《冬》美しい連作絵葉書。カラー・リトグラフ。　

第4章　芸術をとりまく環境ー制作者。モデル、ミューズ

・モリゾ《器の中の白い花》印象派マネの弟子の女性画家が描いた美しい作品。
・カサット《縞模様のソファーで読書するダフィー夫人》カサットはパリで活躍したアメリカ人女性画家。・サラ・ベルナール《ルイズ・アベマの肖像》有名女優が造ったブロンズ像。
・ドガ《美術館にて》ルーヴルで絵画鑑賞をするメアリー・カサットとその姉リィディア。ドガはカサットの先生。
・ルノワール《アルジェリアの娘》エキゾチックな情景の中のパリ娘。
・ロートレック《画家のアトリエのカルマン・ゴーダン》
・マネ《街の歌い手》約70年ぶりの修復を経て公開された大作。・ピカソ《フェルナンド・オリヴィエ》モデル・恋人を淡い色で描いた美しい作品。

第5章　モダン・シーンー舞台、街角、スタジオ

・リュス《ジュール・シュレ》派手なポスター。カラー・リトグラフ。
・カルダン《ドレス》赤い襟・袖口・裾・●はビニールのアップリケ。ボストンから来ているだけに、優れた作品が数多く出ていた。また、気楽に見られる構成となっていた。

なお、この展覧会の下記の通り巡回する。
・2017年6月10日（土）～ 10月15日（日）名古屋ボストン美術館 終了
・2018年1月13日（土）～ 4月1日（日）世田谷美術館 開催中
・2018年4月11日（水）～ 6月10日（日）広島県立美術館 開催予定

　美術散歩　管理人　とら