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久しぶりのお出掛け日和。車で静嘉堂文庫美術館に出かけた。
・見どころ1: 12年ぶりに明清絵画の優品(李士達・張瑞図・王建章)を一挙公開 李士達《秋景山水図》明 万暦46年(1618) 李士達は、明末蘇州派を代表する画家。主に山水や人物を描いて活躍し、日本の文人画家にも大きな影響を与えた。厳しい岩山が聳える中を、柔らかな雲が流れていく。色づく木々や山々は秋の訪れを告げ、四阿では二人の人物が楽しげに語らっている。 明張瑞図は、明末の「奇想派」を代表する画家・書家。愛顧を受けていた宦官の失脚に伴い官籍を剥奪されて故郷に帰り、晩年は詩書画三昧の日々を送った。 本作は故郷で制作した晩年の作。題辞「日落群峯陰 天秋百泉響」のように、秋の日に群峯の間を水音が響き渡るさまを見事に描き出し、「詩画一致」の世界を作り上げている。複雑で誇張された山々の構成は「奇想派」の特徴である。 王建章は、明末に活躍した文人画家。山水画の他に花卉画・道釈画も手掛けた。 本図は「金箋」という光輝性素材を使っている。 王建章の特徴である山を幾重にも積み重ねて片寄せにする構図を採っている。 雲霞の白さと岩山の暗さの対比が際立っており、画面上方には、夏の驟雨に煙る山景、画面下方の橋の上には左方の家に急ぐ笠をまとった人物が描かれている。 岩山は、山容を点描で表す「米法」に則っている。 余崧は、清朝の宮廷画家だった可能性もあり、日本に多くの作品が伝存し、江戸後期の史料にもたびたび登場する。 本作は、鮮やかな色彩で百種近くの草花や花木を四季を巡るように描いた図巻。丁寧で細緻な筆致により、咲き誇る華麗な花々や霊芝、松といった吉祥性の強いモチーフを加えて構成されている。 箱書きから、この図巻は幕末に老中として政治の難局にあたった福井・鯖江藩主・間部詮議の旧蔵品だったことが分かる。 藍瑛《秋景山水図》明 崇禎11年(1638)↓左 谷文晁《藍瑛筆 秋景山水図摸本》江戸(18~19世紀)↓右 本作には、江戸後期の儒者・書画家である「貫名海屋による跋文」と「谷文晁の摸本」(↑右)が付属しており、藍瑛の画風が清時代に受け継がれていく一方、日本でもさまざまに引用されていった。 沈南蘋《老圃秋容図》清 雍正9年(1731)↓左 谷文晁派《沈南蘋筆 老圃秋容図粉本》江戸(18~19世紀)↓右 本作は、黄蜀葵や朝顔の咲く中、猫がカミキリムシを狙い今にも飛びかかろうとする一瞬を描いたもの。墨と胡粉による毛描きが見事である。猫(mao)と七十歳を意味する耄(mao)と音が通じることから、長寿の意味を持つ吉祥画題として好まれた。 右は左の原本をほぼ同寸で写そうとしたもの。近年、谷文晁一門の粉本の中から発見された。 ・見どころ3: 書跡の優品(張瑞図・王鐸)も特別公開 張瑞図《草書五言律詩》明 17世紀 ↓左 王鐸《臨王羲之得信帖》清 順治6年(1649)↓右 張瑞図の作品は、唐時代の詩人・沈佺期の「楽城白鶴寺詩」を引用したもので、「木の葉返し」と呼ばれる鋭い筆線が見どころである。 王鐸の作品は、東晋時代の文人・王羲之の「得得帖」を臨書したものだが、王羲之の書体をそのまま真似るのではなく、王鐸らしい自由自在に筆墨を用いている。 静嘉堂文庫美術館の前庭は紅葉が真っ盛りだった。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2017-11-29 21:43
| 東洋アート
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