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これは本日( 2017年11月12日)の日曜美術館のメモ。 現在、東京藝術大学大学美術館開かれている東京藝術大学創立130年記念特別展「皇室の彩 百年前の文化プロジェクト」の紹介である。
![]() 昭和天皇のために作られた「御飾棚」は高さ155cm、幅153cm、棚全体から放たれるまばゆい輝きは隅々まで気品高く優美な金色が輝く。 ![]() ![]() ![]() 「御飾棚」は7人の蒔絵師が2年間こもりきりで作り上げられた。蒔絵師たちは次の時代を担う皇太子と皇太子妃のために作品を作り上げていた。その「鳳凰」のデザインは、正倉院御物に比べモダンな姿にデザインされている。文様には凹凸があって、鳳凰の文様に光を当てると文様の縁が盛り上がっていることが分かる。 この盛り上がりは、「鳳凰」と「鶴」では少し違う。鳳凰では直角に盛り上がっていて「強さ」を表しているが、鶴では丸みを帯びた盛り上がりであって「優しさ」が表れている。 献上品の制作には、制作の計画自体が立ち消えになる可能性があった。大正12年9月1日に関東大震災が起きたため、この年のご成婚は翌年に延期になった。東久邇妃殿下も被災した人たちのために衣服を縫われていた。こういった中、献上品制作の自粛が要請されたのである。 この中、献上品継続を強く訴えた人物がいた。献上品事業を牽引していた東京美術学校長・正木直彦である。正木は宮内庁を訪れ「献上品は国民の想いを代表して作るのであるため、苦しい時だが、事業を中断することは出来ない」と話したという。その結果、震災から3ヶ月後に、献上品制作事業の継続が決まった。そして「御飾棚」に飾る作品も続々と制作された。 金で塗られた裏側を持つ「二曲御屏風 腰彫菊花紋様」(昭和天皇への献上品)は、「御飾棚」を超えるような作品である。もちろん香淳皇后への献上品「二曲御屏風 腰彫桐紋様」も作られた。これらは48人もの職人が制作に参加した大作である。 木で作った色紙部分は一人ひとりが制作し、黒漆で塗り固めた地に貼り付けられた。このように本作は第一線で活躍する職人の合作であり、日本美術史上最大の合作となった。 ![]() 関東大震災から5年。すべての作品が完成し、両陛下へ献上された。戦後に撮影された写真では、香淳皇后が天皇の飾り棚に手を置いておられ、両陛下が生涯献上品を大切にしておられたことが分かる。 携わった職人が皇室に献上された工芸品を再び見ることはなかった。しかし、守り継がれた工芸品は100年たっても輝き続けている。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2017-11-12 11:49
| 近代日本美術
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