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久し振りに千葉に行った。2015年6月の「ドラッカー・コレクション展」以来である。
自宅を8:40に出発し、半蔵門線-錦糸町ー総武線経由で10:30に千葉に着いた。 ![]() 新しく千葉市美術館前で止まる循環バス(Cバス)も運行しているということだったが、駅前の出発場所「#16」が遠く、おまけに1時間に1本というものだったので、いつものように「#7」の大学病院行きに乗り、中央3丁目で下車して美術館まで歩いた。 今回は千葉市美術館で開かれている「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信」を見るのが目的である。 ![]() ボストン美術館所蔵浮世絵の展示総数が150点に及ぶ大展覧会であったが、ここでは「展覧会の構成」に従って「各章のお気に入り作品」を挙げていくこととする。 Prologue 春信を育んだ時代と初期の作品 ・鈴木春信《見立三夕 定家・寂蓮・西行》紅摺絵 宝暦末期 ![]() 図の右は、藤原定家の「みわたせば花ももみぢもなかりけり 浦のとまやの秋の夕暮」で、図中に「苫家」が描かれている。 中央は、寂蓮法師の「さびしさはそのいろとしもなかりけり 槇たつ山の秋の夕暮」で、図中に「槇」と「山」が描かれている 左は、西行法師の「心なきみにもあわれはしられけり 鴫たつさはの秋の夕暮」で、図中に「鴫」が描かれている。 画の構成上もっとも重要な要素は、3人の女性の「当世風」の優美な衣装と「古典時代」の長い髪の対照である。 ・鈴木春信《馬上の朝鮮人》紅摺絵 明和元年頃 ![]() Chapter Ⅰ 絵暦交換会も流行と錦絵の誕生 ・鈴木春信《見立孫康》摺物 明和2年 絵暦 ![]() ・鈴木春信《夕立》摺物 明和2年 絵暦 ![]() 絵暦を注文した趣味人の狂歌名「伯制工」の署名と「松伯制印」の印(図の左)に比べて、画工・鈴木春信、彫師・遠藤五緑、摺師・湯本幸枝の名(図の右下)は小さい。 にわか雨に慌てて干し物を取り込もうとしている若い娘の片方の下駄が脱げてしまっている。着物が風にあおられて胸や足が露わにになっている。 Chapter Ⅱ 絵を読む楽しみ ・鈴木春信《見立玉虫 屋島の合戦》錦絵 明和3-4年頃(↓左):平家の船上に立つ「玉虫」は、那須与一の矢の的である扇子を持っている。彼女の着物は平家の船の模様。 ・参考出品(個人蔵)鈴木春信《見立那須与一 屋島の合戦》錦絵 明和3-4年頃(↓右):《見立玉虫 屋島の合戦》の対作品。「玉虫」の誘いを受けた「那須与一」は扇子の紙売りの若衆として描かれており、その矢には恋文が結ばれている。畑の「茄子」は「那須」与一に掛けている。 ![]() ![]() ![]() ![]() 「源氏物語・若菜上」の源氏の若い妻「女三の宮」と紐が御簾にひかっかって御簾を開けてしまった「猫」と女三の宮の姿を見て叶わぬ恋に落ちてしまった「柏木」の物語を当世風に描いたものである。 Chapter Ⅲ 江戸の恋人たち ・鈴木春信《桃の小枝を折り取る男女》錦絵 もと明和3年頃 絵暦 ![]() ・鈴木春信《寄菊 夜菊を折り取る男女》錦絵 明和6‐7年頃 ![]() 本図は古典的な和歌の主題を当世の風俗で描く5枚揃のシリーズの1図である。各図には「寄」で始まる題がある。 「寄菊」の歌は、八条為敦の「待えしとおもふ夕へもとふ人の 袖の色なるしらきくの花」。 ・鈴木春信《伊達虚無僧姿の男女》錦絵 明和6-7年頃 鈴木春信のこの絵は、8階展示室に入ってすぐの突き当りに単独で展示されていた。 ![]() ![]() ・鈴木春信《五常 智》錦絵 明和4年 ![]() ・鈴木春信《子どもの獅子舞》錦絵 明和4‐5年頃 ![]() Chapter Ⅴ 江戸の今を描く ・鈴木春信《浮世美人寄花 笠森の婦人 卯花》錦絵 明和6年頃 鈴木春信のこの絵は、7階展示室に入ってすぐの突き当りに単独で展示されていた。 ![]() 卯の花は画中には描かれていないが、お仙自身が卯の花なのである。 上部の歌は「卯の花のさかりならすは山里の かきほにたれかこゝろとめまし」。 ・鈴木春信《風流艶色真似ゑもん その一》 ![]() 上部には主人公の紹介と物語の設定を語る詞書が記されている。この長い詞書は小松屋百亀が書いたとされている。 ![]() 朱の鳥居でひざまずく色好みの男・浮世之介の前に、白雲に乗ったニ仙女(モデル:笠森稲荷境内の水茶屋・鍵屋の看板娘・お仙)と金龍山の藤花女(モデル:浅草寺門前の口腔内薬屋・本柳屋の看板娘お藤)が仙薬を持って現れ、男の願いを叶えさせると告げている。 その仙薬とは、体を豆のように小さくする土団子と不老不死の妙薬だった。浮世之助は早速土団子を食べて豆男に縮小変身し、名前を「真似ゑもん」と変えて諸国行脚の度に出る。 そして「真似ゑもん」が行く先々で目にした秘め事を、百亀作の物語と春信画の画で鑑賞させている。 【参照】早川聞多「春信の春、江戸の春」文春新書274 Epilogue 春信を慕う ・喜多川歌麿《お藤とおきた》錦絵 寛政5-6年頃 ![]() ・喜多川歌麿《伊達虚無僧姿の男女》錦絵 寛政6年頃 ![]() 石川豊信(Prologue)、鈴木春信(Chapter Ⅲ)、喜多川歌麿(Epilogue)の同名作品を並べると(↓)のようである。 ![]() ・鈴木春信《坐敷八景 台子夜雨》摺物 明和3年頃(↓右)注文主名:巨川と印あり ・鈴木春信《座敷八景 台子夜雨》錦絵 明和3年頃(↓左)注文主名や印なし ![]() ![]() 【註】所蔵作品展 江戸美術の革命ー春信の時代
by cardiacsurgery
| 2017-09-12 23:00
| 浮世絵
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