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BUNKAMURAで、今日から始まった「ベルギー奇想の系譜~ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」を見てきた。
まずはロビーでアリバイ写真撮影。 展覧会は、15世紀から21世紀に及ぶ700年間の作品で構成されており、出展作品の中には以前に見たものも少なくない。 Ⅰ.15-17世紀のフランドル美術 ・ヒエロニムス・ボス工房《トゥヌグダルスの幻視》ca.1490-1500 油彩:アイルランドの修道士が語ったとされる逸話。主人公の騎士トゥヌグダルスは、3日間の仮死状態に陥っている間に天使によって天国と地獄に導かれ、そこで恐ろしい懲罰を目にし、目覚めた後に悔悛する。 左下には主人公と天使が描き込まれ、さらに大罪とそれに関連づけられた懲罰が各所に散りばめられている。 落ち着いて戦う天使たちと必死に戦いながら逃げ惑う反逆天使たちの感情を、筋肉の隆起で表現しているのである。 ・フェリシアン・ロップス《舞踏会の死神》ca.1865-1875 油彩:死神として骸骨となった女が、カトリックの司祭がミサで着るガウンを身にまとい、恍惚のダンスを舞っている。ロップスは、反カトリック的・反ブルジョワ的な強迫観念を持っており、本作は教会を風刺画となっている。 転生の前に、冥界を流れるレテ河の水を飲むと、前世のことを忘れるという。過去の恋を悔やむダンテ自身が、冥界めぐりのさなかでレテ河の水を飲もうとしている。 しかしダンテが花をささげる手も、女性が水を差しだす手も、中空で動きを止めている。すべてを忘れられる薬があるとして、人はそれをためらいなく飲み下すことができるのだろうか。触れあう寸前で凍りついたかのような二人の姿に、決断前の一瞬が表現されている。 ・ポール・デルヴォー《海は近い》1965 油彩 姫路市立美術館 再見 周囲のどんよりとした環境とは対照的に、中央には大きな平和の象徴である白い鳥とその中に広がる夏の空が描かれ、鳥はカットアウトしたような表現で描かれている。 尾の形などからカササギとみなされており、この鳥は、家族単位内の愛と団結象徴するものである。 カササギはブリュッセル郊外では日常的に見られる鳥で、マグリットにとっては親近感のある鳥だった。 こちらはサベナ国際航空からの依頼で作成されたものであるが、鳥はやはりカササギである。 一時はサベナ国際航空のシンボルマークとして実際に翼に描かれ空を飛んでいた。 奥の小部屋は「猫へのインタビュー」。この部屋にスピーカーが置いてあって、作家が猫に一方的に話しかけている音声が延々流れており、猫はひたすらニャーニャーと鳴いてる。 これは彼の祖国ベルギーの複雑な歴史を表している。常には身を守るはずの甲虫の殻も、この作品ではもろく繊細に見える。アイロニーをこめたメッセージである。 本作では、十分なほど持っているはずのものでもまだ飽き足らない現代人を、自滅するような大きすぎる頭を持った姿で表現している。 辻惟雄氏は、岩佐又兵衛・狩野山雪・伊藤若冲・曽我蕭白・長澤蘆雪・歌川国芳という江戸時代のアヴァンギャルド画家に焦点を当て、1969年に美術出版社から「奇想の系譜」という本を出版されている。 辻惟雄氏は、「芸術の効能は人をギョッとさせるところにある」とされ、具体例としてピカソ・ダリ・ミロ・岡本太郎を挙げ、江戸時代の画家としては白隠・葛飾北斎も加えておられる。(辻惟雄「ギョッとする江戸の絵画~NHK知るを楽しむ・この人この世界」テキスト、2005年10月) 日本美術においても、その「奇想の系譜」は会田誠のような現代作家につながっていることは間違いないが、そのスタートをどこに置いたら良いのだろうか。15-17世紀フランドル美術におけるヒエロニムス・ボスに相当する画家は一体誰だったのだろうか。 美術散歩 管理人
by cardiacsurgery
| 2017-07-15 22:54
| 国外アート
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