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明日から、国立西洋美術館で「アルチンボルド展」が始まる。
以下はその予習。 Ⅰ.今までに見たアルチンボルドの作品 Ⅰ-1.だまし絵Ⅱー進化するだまし絵 @Bunkamura ・ジュセッペ・アルチンボルド《ソムリエ(ウェイター)》1574年 大阪新美術館建設準備室 ・ジュセッペ・アルチンボルド《司書》1566年頃 スウェーデン・スコークロステル城 Ⅰ-2. 奇想の王国 だまし絵展 @Bunkamura ・ジュセッペ・アルチンボルド《ウェルトゥムス(ルドルフ2世)》 ・アルチンボルド派《水の寓意》:魚の寄絵。 Ⅰ-3. ウィーン美術史美術館展: 東京藝術大学大学美術館 ・アルチンボルド《冬》:アルチンボルドによる最初の連作寓意画《四季》のなかの一点。アルチンボルドがウィーンの宮廷に移った翌年、マクシミリアン2世の委嘱により制作された。当初は4点揃いだったが、現在ウィーン美術史美術館には《夏》と《冬》のみが残されている。 《四季》は、それぞれの季節に相応しい植物をモチーフに構成されだ擬人像である。季節の変転は誕生、成熟、死、そして再生という生命の循環になぞらえてきたが、アルチンボルドはこの比喩を、春に青年、夏に壮年、秋に中年、冬に老年の姿を当てはめることで明示している。 ・アルチンボルド《水》:《四季》の3年後に制作された《四大元素》も、マクシミリアン2世の委嘱により描かれ、その後ルドルフ2世のクンストカンマ―に置かれた。現在ウイーン美術史美術館に残るのは、《水》と《火》の2点である。《大地》はウイーンのコレクターの手に渡り、《大気》は原画が失われ、模写のみが残っている。 この連作では、自然の根本を成すと考えられた四大元素をモティーフに、四つの世界が鮮やかに表現されている。 Ⅱ.今回の展覧会に出品されるアルチンボルドの主要作品 油彩画約10点、その他100点ほどが出展される予定 【四季連作】 《春》1563年 マドリード、王立サン・フェルナンド美術アカデミー美術館 《夏》1572年 デンバー美術館 《秋》1572年 デンバー美術館 《冬》1563年 ウィーン美術史美術館 【四大元素連作】 《水》1566年 ウィーン美術史美術館 《火》スイス個人蔵 6月24日より展示 《大地》1566年頃 リヒテンシュタイン家コレクション 《大気》1566年頃 スイス個人蔵 6月24日より展示 【上下絵】 《コック/肉》1570年頃 ストックホルム国立美術館 《庭師/野菜》1590年頃 クレモナ美術館 【職業風刺戯画】 《法律家》1566年頃 スウェーデン/グレプスホルム美術館 《司書》1566年頃 スウェーデン/スクークロスター城 《ソムリエ(ウェイター)》1574年 大阪新美術館建設準備室 【註】1648年にスウェーデンがプラハを侵略した際、ルドルフ2世のコレクションから多くの作品が持ち去られた。 【註】《四季》と《四大元素》の対応: 春↔大気、夏↔火、秋↔大地、冬↔水 アルチンボルドはミラノの画家の息子で、父はレオナルドの追随者ベルナルディーノ・ルイーニの友人で、本人もレオナルデスキだった。 アルチンボルドは、父とともにミラノ大聖堂のステンドグラスのデザインに関わった。アルチンボルド自身の修業も、レオナルドに倣うものだった。 ミラノでは宗教画関係の制作を行っていたが、どの作品がアルチンボルドのウィーン宮廷招聘のキッカケになったのかについては不詳である。 ただ、フェルディナンド皇帝時代に、マクシミリアン2世がスペインに行く途中、二度ミラノの立ち寄っておるので、マクシミリアン2世がアルチンボルドをウィーンに招聘したことは間違いなかろう。 《四季》や《四大元素》はアルチンボルドのウィーン到着からそれほど間をおかずに描かれているが、《夏》には1536年の年紀が入っている。 アルチンボルは、ウィーンでは祝祭などの演出デザインを任されていた。マクシミリアン2世の息子ルドルフ2世とともにプラハに移ってからも、演出の仕事をしていた。 アルチンボルドの絵画には、多くの種類の物質が描き込まれているが、これは当時の皇帝や王によって先導された自然科学研究の一部であった。これによってアルチンボルドは皇帝の治世の偉大さを描いたのである。 アルチンボルドの連作は、1569年の大晦日にマクシミリアン2世に献上された。これに感心したマクシミリアン2世はアルチンボルドの画をマドリードの宮廷、ミュンヘンの宮廷、ドレスデンに送った。現在パリにあるアルチンボルドの作品は、この時ドレスデンに送られたものである。 アルチンボルドの重要な貢献の一つとして、《庭師/野菜》などの「上下絵」制作が挙げられる。 軽妙なアルチンボルド作品は、17世紀以降、マニエリスムの消退とともに評価されなくなり、MOMAで開かれたシュールレアリム展で、「シュールレアリストの父」として再評価されるまで忘れられていた。 日本における今回の展覧会においては、アルチンボルドを今までのような「だまし絵」画家としてのコンテクストでなく、彼の時代における特別な芸術家として評価していきたいと思う。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2017-06-19 10:06
| ルネサンス
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