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国立科学博物館で開催中(2007.3.18∸6.11)の「大英自然史博物館展」が、4月21日の「ぶらぶら美術館・博物館」で紹介された。
以下は番組のメモであるが、放送の動画はこちらで見られる.。 篠田謙一副館長の解説は次の言葉で始まった。 この展覧会のコンセプトは、大英自然史博物館は①どうやってできたか(過去)、②今なにをやっているか(現在)、③将来どうなるのか(未来)を示すことである。【ハンス・スローン(1660年 - 1753年)】 【リチャード・オーウェン(1804‐92)】 【世界で初めて製作された地質図】 ウィリアム・スミスは、イギリス中を旅するうちに、特徴的な化石を含む「地層」が地域ごとに特徴ある分布をしていることに気づき、「地層」が分布する「地質図」を世界で初めて作成した。土地の利用、災害防止、資源の探索、学術資料、環境対策などに応用されるようになった「地質図」の画期的な第一号である。 聖書では地球の歴史は「ノアの方舟以来6000年である」とされているが、ウィリアム・スミスは地質図からみて地球の歴史はこれよりもはるかに長いことに気づいた。 【種の起源】 【始祖鳥】 この化石は二つに割られているが、一方に始祖鳥の姿がよく残っている。「羽」があるから鳥であり、先に羽が付いた「尾」もあるので爬虫類との中間であるともいえるが、「羽」があるため定義上「原始的な鳥」すなわち「始祖鳥」と呼ばれている。 2004年に残っている「頭部のCTスキャン」を行い、視覚部分や三半規管が発達していたことから、「始祖鳥は飛んでいた」とされている。反対側の化石には「歯の跡」が認められるが、定期上は「鳥には歯がない」とされているので、「始祖鳥は進化の過程にあるもの」と考えられる。 「始祖鳥の標本化石」は世界に12点しかなく、始祖鳥の標本化石が来日したのは、1986年のベルリン標本、2011年のサーモポリス標本に次いで3度目。今回のロンドン標本は、ドイツで発見され、発見者の医師が娘の結婚式の費用捻出のためイギリスに売却した。 【呪われたアメジスト】 【パンクス花譜集】 キャプテン・クックが率いた探検航海で、植物学者のジョセフ・バンクスやダニエル・ソランダーらは、オーストラリア・ニュージーランド・アフリカ大陸で固有植物を採取した。植物を押花として持ち帰ると色が変わってしまうので、バンクスは記録画を描くため女性博物画家シドニー・パーキンソン(1745頃-1771)を雇いエンデバー号に乗せた。 シドニー・パーキンソンは、標本をラフにスケッチして、重要部分に彩色を施した。この彼女が船中で赤痢に罹り、26歳で早世したため、バンクスは別の画家にスケッチを完成させて白黒写真を撮り、モノクロ印刷させた。1980年代になるとカラー印刷が可能なった。第1回の太平洋航海の植物標本が花譜集として出版するためには約200年の年月が必要だったのである。 なお、2014/12/23-2015/3/1に「Bunkamura25周年記念」として「キャプテン・クック探検航海とバンクス花譜集展」が開かれた。 粘菌はアメーバ的運動をするため動物的でありながら胞子を作るため植物的でもあるという特殊な生物である。かねて南方熊楠と親交があった昭和天皇は、皇居で収集した粘菌標本をロンドンに送られたが、これが新種と認定され、「imperial・・・」と命名された。粘菌はかつて南方熊楠が興味を抱いて研究したことで有名で、南方が和歌山県で採集した粘菌標本はロンドン自然史博物館の粘菌学者グリエルマ・リスターによって新属新種として記載されている。昭和天皇も関心を持って粘菌研究を手掛けておられた。 【日本発の世界的な鉱物標本】 【三個の隕石】 ・小城隕石:1741年、現在の佐賀県小城市に4個の大きな隕石が落下し、2個が明治まで残っていて、明治に鍋島直虎がイギリスに寄贈した。残る1個は米軍の空襲によって行方不明となった。 ・薩摩隕石:1886年に鹿児島県に落下したは空中で分裂して隕石雨となり、10数個の破片が拾われた。国立科学博物館でも小さな標本を所蔵展示しているが、25kg以上という最大の標本が初めて。 【ピルトダウン人頭蓋骨捏造事件】 1953年のフッ素年代測定によりオランウータンの下顎骨と現代人の頭蓋骨を組みあわせた真っ赤な偽物と判明した。40年間、世界中の科学者達がこの「ピルトダウン人」を、ネアンデルタール人やクロマニヨン人たちと同じく重要な資料と位置づけて、研究を続けてきた。犯人探しとしては「ドウソン単独犯行説」が有力であるが、その過程では、当時付近に住んでいた「シャーロック・ホームズ」のコナン・ドイルも疑われたという。 一昨年のDNA鑑定でも、これが「世紀の捏造事件」だったことが証明されている。このようなマイナスイメージを持つピルトダウン人の資料一式も捨てずに今後に伝えている。これはロンドン国立美術館の地下に「贋作ばかり集めた部屋」が置かれて研究の対象となっていることと同じである。 篠田謙一副館長は次のようにまとめられた。 収集の主役は、①大金持⇒②国家⇒③国民全体に移って来た。キリンの頭部を集めたロスチャイルド家の息子ウォルター・ロスチャイルドは「大金持ちの例」であり、呪われたアメジストをイギリス政府に寄贈した所有者の娘は「国家の役割」に期待したのである。「国民全体の例」としては、「イッカク頭骨収集のための国際的ネットワーク形成」が挙げられる。日本で盛んな「アマチュア昆虫採集」もこのようなネットワーク形成の基盤となるかもしれない。美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2017-04-22 10:39
| 国外アート
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