おんな城主ものがたり その1 井伊直虎

「直虎だけじゃない！おんな城主ものがたり」は、下記のように何回も放送されている。大河ドラマの番宣番組だからである。

放送日：3月20日(月・祝)NHK総合 8:15～
再放送日：3月25日(土)NHK総合1:10～
再々放送日：3月22日（水）NHK BSプレミアム15：00～

内容は、①直虎、②清心尼、③誾千代という3人のおんな城主の物語で、①「直虎」の聖地、浜松市「井伊谷」を、光浦靖子さんと"おとわ役"子役の新井美羽ちゃんが訪ね、②光浦さんが東北民話の里「遠野」へ「清心尼」のゆかりの地を訪ね、③更にTKOが福岡「柳川」のじゃじゃ馬姫「誾千代」の活躍した跡地を訪ねていた。

ここでは、まずⅠ．井伊直虎についてまとめ、Ⅱ．清心尼　と　Ⅲ．誾千代についてはそれぞれ別稿とする。

実際の龍潭寺は大河ドラマに出てくる寺よりもはるかに広く、寺前の紅白梅も素晴らしい。小堀遠州の作庭もある。次郎法師の印のある古文書もある。直虎が女性であったことを示す古文書も残っている。直虎の時代の戦国大名の領国は（↓）のようで、井伊家は駿河の今川と三河の松平（徳川）の間に位置している。
井伊の「天白磐座」は、古代の聖なる祭祀の場所である。井伊家がこの場所を大切にしてきたのは、それなりの理由がある。井伊家は目の届かない山あいを巧みに利用してきた。例えば、このような場所に今川に内緒の隠し田を設けることもできたし、井伊の里から別な里に逃げ出すこともできた。直虎は父・直盛からもらった「懸仏」を大切にしていた。その表は（↓）「懸仏」の裏面（↓）には、父・直盛の文字が彫られている。この「懸仏」には井伊家の秘密が隠されていた。井伊の山中には鍛冶や鋳物を行う職人が隠れ住んでいたのである。直虎の強さの秘密は、このような山からの恵みを持っていたことである。今川は井伊の農民をそそのかして「徳政令」を出すように直虎に交渉させたが、「徳政令」で農民の年貢を免除すると、商人への借金が返さなくなるため、直虎は「徳政令」の発行を待ってもらうよう農民に交渉した。このことが可能だったのは、直虎が「次郎法師」として托鉢に回っていて、農民たちも僧侶だっだ直虎に協力したのである。井伊直政の父・井伊直親は、直政の生まれた翌年・永禄5年（1562年）に謀反の嫌疑を受けて今川氏真に誅殺された。当時、直政（幼名・虎松）はわずか2歳であったため、井伊直盛の娘に当たる次郎法師が井伊直虎と名乗り、井伊氏の当主となった。この直虎の努力によって、井伊直政は徳川氏の家臣として出世し、彦根藩が雄藩となっていったのである。このようなおんな城主は、井伊直虎以外にも全国にいた。美術散歩　管理人　とら

【おんな城主3人】
その1：井伊直虎
その2：清心尼
その3：立花誾千代