記事ランキング
ブログパーツ
最新のトラックバック
外部リンク
以前の記事
2021年 01月 2020年 11月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 more... カテゴリ
全体
国外アート 西洋中世美術 ルネサンス バロック 印象派 印象派後期 現代アート(国外) 東洋アート 仏像 国内アート 江戸絵画(浮世絵以外) 浮世絵 近代日本美術 戦争画 現代アート(国内) アート一般 書籍 音楽 映画・写真 講演会 北海道の鈴 東北の鈴 関東の鈴 中部の鈴 関西の鈴 中四国の鈴 九州の鈴 ヨーロッパのベル アジアのベル アメリカのベル オーストラリアのベル 未分類 フォロー中のブログ
検索
その他のジャンル
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
学士会会報No923(2017-Ⅱ)収載の葛原茂樹鈴鹿医療大学教授・三重大学教授の論文「多発から消滅へー紀伊半島・グアム・パプアをつなぐ特異な神経風土病ALS/PDCの不思議」を読んだ。
以下はそのまとめである。 西太平洋地域風土病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、他地域の約百倍の高頻度で多発していたが、原因が不明なままに短期間で激減して多発状態が消滅した不思議な病気である。 ALSは世界中の国や民族、人種の差がなく発生し、発病率は人口十万人当たり1.1~2.5人、有病率は人口十万人当たり7~11人の希少疾患である。 ところが。グアム、紀伊半島南部、インドネシア共和国パプア州には、ALS発病が他地域の数十倍から約百倍もの高頻度で多発する地域がある。この3地域は、東経135~145度の間に北から南に並んでいるので、西太平洋ALS高集積地(風土病)と呼ばれる。 ![]() グアムでは、ALS発生が1970年代から激減し始め、1980年代には平均的な発生率までに減少した。一方、PDCは、減少したものの、一定数の発生が続いている。 2.紀伊半島のALS(紀伊ALSまたは牟婁病): 牟婁(むろ)地方は、紀伊半島南端部に位置し、三重県の北牟婁郡と南牟婁郡、和歌山県の東牟婁郡と西牟婁郡に跨っており、江戸時代の紀伊国南方群、上古の熊野国に相当する。この地方にALSが多発することは明治44年に指摘され、1960年代に、他地域の数十倍~数百倍の高率で発生していることが発見され、紀伊ALS(牟婁病)と命名された。ところが、1980年代半ばからALSの新規発生がなくなり、1991年には多発状態の消滅が報告された。 3.西ニューギニア(パプアのALS/PDC): 1950年代からニューギニアの風土病の研究が開始され、ニューギニア高地Fore族に多発する脳疾患クール―がプリオン感染によることが証明されたが、西ニューギニア(インドネシア国パプア州)の低地ジャングル地帯に住むパプア人部族にALS /PDCが多発していることが知られた。しかし、2016年の最終調査では新患者の発生は確認されていなかったので、ここでもALS /PDCの減少が起こっている可能性がある。 多発と終焉の原因についての仮説: 病気を起こす脆弱性はこの集団の「遺伝素因」にあり、病気の発生率を多発から激減へと変えた要因は何らかの「環境因子」にある。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2017-03-02 21:38
| 書籍
|
ファン申請 |
||