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昨日友人から遅れてきたバレンタインギフトのパッケージの中に書籍が2冊同封されていた。
その1冊は谷崎潤一郎の『陰影礼賛』、他の1冊は上野誠の『大和三山の古代』(ブログ)である。 まず『陰影礼賛』に取り掛かった。 ![]() その中で、今までに目を通したのは「陰翳礼讃」だけである。Wikipediaによると、「陰翳礼讃」が書かれたのは1933年。私はまだ生まれていない。 「陰翳礼讃」では、「まだ電灯がなかった時代」における今日とは違った「日本の美の感覚」、生活と自然とが一体化し、真に風雅の骨髄を知っていた頃の「日本人の芸術的感性」について詳細に論考されている。 1975年初版の中公文庫に吉行淳之介の「解説」が載っているが、その書き出しは次のようになっている。 谷崎潤一郎の[陰影礼賛]を、三十年ぶりで読んでみた。少年といってよい年齢のころに読んだときには、面白い鋭い角度からの考え方をいろいろ教えられた、という気持ちだった。今度読んだときには、さまざまな連想とか想像がひろがった。吉行淳之介は、1924年4月生まれで、1994年7月に満70歳亡くなっている。この中公文庫に「解説」を書いたのは51歳という計算になる。 すなわち、吉行淳之介は私より10年以上早く生まれているが、「書評」を書いた時は現在の私より大分若い。 今回のテーマである「陰影」に対する感覚は、谷崎潤一郎、吉行淳之介、そして私と大分ずれているだろう。 谷崎潤一郎は、欧米人と日本人の「陰影」に対する感覚の違いに重きをおいているだけでなく、明治以前の薄暗い日本家屋の生活に憧憬を抱いている。 その点、吉行淳之介は近代生活に伴って「陰翳礼讃」は求めても得られない存在であることを認識しつつ、谷崎潤一郎の考えに一部共感している。 私自身、30年前に家を新築した。1927年 建築の古い家から新築の家に引越してみると、新しい家ではすべてが明るいことに驚いた。配電盤のヒューズは古い家で10アンペアで済んでいたのに、新しい家では40アンペアが必要となってしまった。 というわけで、私にとって「陰翳礼讃」は高嶺の花になってしまっている。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2017-02-15 17:36
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