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家内の知人からメールで「今夜の”開運なんでも鑑定団”に世界4点目の”曜変天目”が出るようだ」と知らせてきた。
ご存知のように、曜変天目は中国の天目山で作られた天目茶碗が窯内で変化(窯変)して星空のような輝きを放つものであるが、すべて日本に舶来した唐物で国宝に指定されている(静嘉堂文庫・龍光院・藤田美術館)。 ちなみに、番組の前宣は次のようになっている。 本人は、ご当地ラーメン(徳島ラーメン)の激戦区・徳島市で「支那そば 巽屋」を営んでいる。お宝は、腕利きの大工にして骨董好きだった曾祖父が、明治時代に三好長慶の子孫が暮らす武家屋敷の移築を請け負った際、大枚を叩いて購入した大量の骨董の一つ。その殆どが昭和20年の徳島大空襲で焼失してしまったが、このお宝は三好家の家系図など雑多な物と一緒に郊外の資材置き場にしまいっぱなしになっていたため、難を逃れた。自分なりに調べたところ、凄いお宝のようだが、本当に価値があるものなのかどうか知りたい本人評価額は100万円で、本物の評価額とは思えない安い価格である。 出てきた茶碗をみると、確かに高台が狭く、口縁の肩の部分が窪んだ典型的な「天目茶碗」である。そして、見込みや側面に星空のような輝きも認められる。静嘉堂文庫の国宝「曜変天目」には及びもつかないが、これも「曜変天目」の仲間に加えても良いだろうか。 鑑定士の中島誠之助氏がつけた鑑定額は「2500万円」。 開運なんでも鑑定団の最高鑑定額は「柿右衛門様式の壺」(2005年9月27日放送)の 「5億円」。1億円以上の鑑定額がついたものが12件もある。 今回の鑑定額はこれに比べ、はるかに安価である。 この茶碗の由来は、三好長慶が足利家から頂いた「東山御物」であるという。たしかに、茶碗が入っていた木箱の表面には二重菱の三好家の紋所が描かれていた。 これが真正の伝来品だとすると、将来的な相続に係る「海外流出」の防止ということも問題になってくる。 文化庁の「登録美術品制度」は、こういった相続の際に役立つのだろうか。 鑑定士の鑑定額が比較的安価だったのは、相続の際への配慮だったのだろうか。 美術散歩 管理人 とら 【追記】この開運なんでも鑑定団に出た曜変天目は、中国で売られているお土産物的作品であることが分かった(参照)。 【追記1】新聞記事1ー2017年2月9日 昨年12月に放送されたテレビ東京系の人気番組「開運!なんでも鑑定団」で、「国宝級」と鑑定された茶碗をめぐり、所有者が住む徳島県の教育委員会が、文化財指定に向けた調査を計画しながら、一転して取りやめていたことが9日、分かった。番組放送後、専門家から鑑定結果を疑問視する指摘が相次ぎ、所有者から調査中止の申し出があった。 ■鑑定「安すぎる!」 「国宝級」と鑑定されていたのは、昨年12月20日放送の同番組に持ち込まれた茶碗。古美術鑑定家の中島誠之助さんが、南宋時代(12〜13世紀)の中国・福建省で制作され、完全な状態では3つしか現存しない「曜変天目」に間違いない-などとし、2500万円の鑑定額がついた。 茶碗の所有者は徳島県内でラーメン店を経営する男性で、曽祖父が買った古美術品の中に交ざっていたとされる。 徳島県教育委員会によると、同番組での鑑定を受け、茶碗を文化財に指定するための調査を計画。県文化財保護条例に基づき、男性に文化財指定の申請をする意向を確認した。 男性は当初協力的だったが、しばらくして男性から「諸般の事情で資料を外に出さないでもらいたい」「この件は今後ノーコメントにします」との申し出があり、調査実施は白紙となった。 鑑定された茶碗をめぐっては、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じ、鑑定結果を疑問視する専門家たちの意見も相次いでいた。 曜変天目は窯で焼いたときに偶然に近い形で青や藍の斑紋がつき、光の当て方や見る角度によって色が変わる。曜変天目の再現に父の代から挑み続け、何度も中国に赴くなどして研究を続けてきた愛知県瀬戸市の陶芸家、九代目長江惣吉さん(54)は「番組の茶碗は国宝の曜変天目とは似ても似つかない」と語る。 本物の模様は破裂痕のようになるのが主な特徴だが、番組の茶碗の模様は絵の具を塗ったように見えると指摘。鑑定額についても、本物だとすればもっと高額になるとして「安すぎる」と首をかしげた。 曜変天目に詳しい美術館学芸員は「番組で紹介された茶碗は、本来のものと模様が異なる上、模様がつかないはずの部分にも模様があった」と話した。 欠損などのない完全な状態で現存する曜変天目は3つある。現在は藤田美術館(大阪市都島区)、静嘉堂文庫美術館(東京都世田谷区)、大徳寺龍光院(京都市北区)に所蔵されており、いずれも国宝に指定されている。 県教委の担当者は「茶碗は個人の所有物なので、所有者の協力がなければ(調査で)専門家に見せることができない」と困惑。今後、所有者から再度申し出があれば調査を検討する。 テレビ東京広報部は取材に対し、「鑑定結果は番組独自の見解に基づくものです。また、番組の制作過程等については従前よりお答えしておりません」としている。 【追記】新聞記事2ー2017年3月2日 昨年12月に放送されたテレビ東京系の人気番組「開運!なんでも鑑定団」で、国宝級の「曜変天目茶碗」と鑑定された茶碗をめぐり、鑑定結果を疑問視する専門家が2日、放送倫理・番組向上機構(BPO)に番組内容の審議を申し立てた。 申し立てたのは、曜変天目の再現に父の代から挑み続け、何度も中国に赴くなどして研究を続ける陶芸家、九代目長江惣吉さん(54)=愛知県瀬戸市。長江さんは「報道機関であれば発信したものに責任を持つべきで、放送内容に疑義が生じた場合は検証する必要がある」と話し、番組での鑑定の根拠を示すことや、場合によっては再鑑定の実施を求めるようBPOに申請している。 一方、奈良大の魚島純一教授(保存科学)が2月22日、所有者の依頼で茶碗の成分分析を実施。模倣品であれば、塗られている釉薬に発色元素が含まれている可能性があるが、分析の結果、そうした元素は検出されなかったと結論づけた。 しかし、魚島教授は取材に「分析結果は茶碗の評価の真がんを判断するものではない」と説明した。 テレビ東京広報部は取材に「特にお答えすることはございません」としている。
by cardiacsurgery
| 2016-12-20 22:05
| 東洋アート
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