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BSプレミアムでは、2014年に「曹操と孔明」「項羽と劉邦」「漢武帝と司馬遷」をテーマとし、中井喜一を案内役として、3回に渡って放送しているが、本年(2016年)、その第二弾として新シリーズが始まっている。
新シリーズの第1部は「清の乾隆帝と謎の美女・香妃」、第2部は「永楽帝と鄭和の大航海」、第3部は「徽宗と水滸伝の英雄たち」である。 昨日、この新シリーズの第1~3部をまとめて視聴する機会があった。 レポーターに俳優の濱田岳、ゲストに浅田次郎を呼ぶという強力な布陣の番組で、感銘を受けた。 清の乾隆帝の時代背景やその業績については、このブログで何回か書いている(↓)ので、本稿ではその大部分を再掲することは控えたい。 その骨子は、満州族出身の乾隆帝は、国内の漢族との融合政策を推進に尽力しただけではなく、周辺の蒙古族・イスラム系民族・チベット族の力を借りて、国内の漢族の不満を取り除くという点であったように思う。 ・北京故宮博物院200選‐その2 @東京国立博物館 ・《瀟湘臥遊図巻》東博蔵+《黄州寒食詩巻》台北故宮博蔵 その2 @東博 ・北京故宮博物院200選‐その1 @東京国立博物館 ・北京故宮博物院200選‐その2 @東京国立博物館 ・北京故宮博物院200選‐その3 @東京国立博物館 ・皇帝たちが憧れた悠久の美~北京故宮の至宝~ @NHK日曜美術館 ・シリーズ故宮 第1回 流転の至宝 @NHKスぺシャル ・シリーズ故宮 第2回 皇帝の宝 美の魔力 @NHKスぺシャル ・琺瑯彩回転瓶 @故宮 ・もっと知りたい! 第1部 コレクション展 @東洋文庫ミュージアム ・東インド会社とアジアの海賊 @東洋文庫ミュージアム 一方、香妃については、1997年に台湾の故宮博物院を初めて訪れた際に購入してきた「文物光華」という単行本に載っている「香妃の玉碗」という論文を読んで以来興味を持っていた。 この玉碗は、伝説上の「香妃」が1756‐7年ごろに清宮に入ったころに、「香妃」とともに朝貢されたものと考えられる。ただし、「香妃」は伝えられるような悲劇的な最後を遂げておらず、この玉碗も乾隆帝が珍重したものであったからこそ、御製の詩を作って記念したのであろう。 詩は五言律詩で、 玉椀来徊部 輸誠貢闔間 召公懐不宝 韓子戒無当 異致白毛鹿 引恬赬尾魴 労来非力并 天眷奉昭彰となっている。 その第一句はこの玉椀の由来に触れており、ここでは、「徊部=回部」である。 第二句の「闔間=西方の山」であり、この玉碗が西方から朝貢されたものでることを述べている。 第三句の「召公=徳政で知られた周文王の庶子・周召公」、第四句の「韓子=韓非 あるいは 韓信」で、この両句で「清朝がこの宝物の玉碗を受け取った以上、回部に対して不当な処置をとるべきではない」と警告している。 第五句の「白毛鹿=古代の郊祀に用いられた貴重な犠」、第六句の「赬尾魴=魚が疲れるとその尾が赤くなるため、君子の苦労に喩えられる尾の赤い魴魚」であり、この両句で乾隆帝は玉椀の貴重さを喩え、これに報いるには苦労を厭わないことを述べている。 最後の両句は、「玉椀が相手の誠意による貢物であって、決して清の朝廷が彼らを併合したものではなく、これは天が自分に与えた恩恵である」としている。 この文章では、「香妃」となっているが、「地上の天宮 北京・故宮博物院展 @東京富士美術館」では、「香妃」=「容妃」という近年の見解に基づいた展示となっていたため、その興味がさらに増していた。 そこで、そのブログ記事の関係個所を以下に再掲することとする。 4.容妃(和卓氏)=香妃今回の「中国王朝 よみがえる伝説 清の乾隆帝と謎の美女・香妃」は、下記のような趣旨で纏められていた。 西域から清に来て乾隆帝に愛されて幸福な生活を送り、特別な香りのなかった「容妃」の墳墓は清の東陵の裕陵妃園で発見されている。 一方、西新疆のカシュガル域で発見されたとする麝香の匂い高き「香妃」の墓の信憑性は乏しく、清朝末期に戯曲、語り、小説、詩歌などで「香妃」の悲劇が多数取り上げられたことから、その両者が混線したものであろう。 この番組に、台湾の故宮博物院に所蔵されている上述の「容妃(香妃)の玉碗」が登場しなかったことは残念であった。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2016-10-12 17:51
| 東洋アート
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