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ペルセウスに、その国を荒らしていた怪物メドゥサ退治を命じたのである。 メドゥサは、ゴルゴンの三姉妹の一人で、もとは美しい乙女であった。しかし、アテナとその美しさを争ったため、髪はひしめく蛇に変えられ、怪物にされてしまっていたのである。 すなわち、メドゥサを一目見たものは、皆、石になってしまうのである。 ペルセウスはそんなメドゥサを退治するために、思案した。 幸い、ペルセウスはアテナとヘルメスに可愛がられていた。 アテナは楯を貸してくれた。そして、ペルセウスに警告した。メドゥサを見るとき、楯に写る姿だけを見るようにと。 ヘルメスは翼のついた靴を貸してくれた。そしてもう一つ貸してくれたのは、金の新月刀であった。これは、世界でただ一つ、メドゥサの首を切ることができる鋭利な刀である。 ヘルメスは、ペルセウスに、あと二つのものが必要だ、と告げた。その二つのものは、かつて、西方の国のニンフに、ヘルメスが与えた贈り物である。 さらに、ニンフたちの住家は、グライアイと呼ばれる三人の老女だけが知っているので、彼女らから、ニンフの住家を聞かなくてはならない。 ペルセウスは翼の靴を履き、老女グライアイのところまで、飛んでいった。彼女たちは、三人なのに、一つの目と一つの歯しか持たず、それらを、交代で使っていた。 ペルセウスは、グライアイたちから、ニンフたちは黄昏の娘たちの園(ヘスペリデス)に住んでいることを聞き出した。そこにはヘラの黄金のりんごの木があり、アトラスがそのへりを持ち上げている。 もう何世紀も新しい客に会っていなかったニンフたちは、ペルセウスを喜んで迎え入れた。そして、ヘルメスが残していった贈り物を与えた。 ひとつは、隠れ兜といい、かぶると人間の周りを闇が包み、見えなくしてしまうものである。もう一つはキビシスという袋である。この魔法の袋だけが、メドゥサの毒に耐えられるのである。 ペルセウスは、メドゥサに睨みつけられると石になってしまうので、メドゥサが眠っている間に、近づき、首を落とした。 そのとき、飛び散るメドゥサの血から、生まれ出たのが、天馬ペガソスである。 今回カラバッジョ展とボッティチェリ展を見て偶然、ウフィツイ美術館所蔵のメデューサを二点見たので追加する。ウフィツィ美術館に行ったときは工事中だったのでこれらを見損なっていたが、今回見ることができてよかった。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2016-03-19 01:23
| バロック
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