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東京は、真夏のような暑い日。時間が出来たので、「印刷博物館」に出かけた。10年以上前に、一度だけ、この博物館に来たことがあるが、飯田橋駅からの道もすっかり忘れていて、地図を片手に「TOPPAN小石川ビル」に辿りついた。
![]() 今回の「ヴァチカン教皇庁図書館展 Ⅱ」のサブテーマは「書物が開くルネサンス」である。 ![]() 展示はヴァチカン教皇庁図書館(Bibliotheca Apostolica Vachicana)の中世写本、初期刊本、地図、書簡類計21点に、国内の博物館や図書館からの書物を加えた計69点で構成されていた。 ここではヴァチカン教皇庁図書館所蔵の書物をを中心に紹介するが、これら内外の書物は「ルネサンス時代の証人」として現在に伝わっている。 展覧会は、4部に分かれている。 第1部 祈りと救い: 宗教書。 ・聖書(イタリア語)1490年: 北ヨーロッパからイタリアに伝わった最初の木版による挿絵入り聖書。387点の木版画が入っており、彩飾紋章も刷られている。 ![]() ・人類贖罪の鑑(ラテン語・ドイツ語)1610年: ヨーロッパ最初期の総挿絵本で、民衆に対するキリスト教のガイドブック。(↓)では神は悪魔たちを懲らしめている。それを見つめる天使たちも描かれている。隣のページの絵は、アダムのあばら骨からエヴァを造る神。 ![]() 第1部で注目した国内からの出展本は以下。 ・48行聖書(ラテン語) 1462年: グーテンベルグの助手だったシェーファーがグーテンベルグの印刷所を入手したフストの許で印刷。 ・ローマ・ミサ聖歌集 1599年: 五線譜の楽譜、大判で厚く重いため下部に金属片が付いていた。 ・デューラー|黙示録(ラテン語) 1561年: 悪意を封印する鍵を持つ天使の版画。 第2部 古代の叡智: 人文学者(ユマニスト)たちが、中世に顧みられなくなっていた古代の版本を再版。 ・バルトロメオ・ミニアトーレ|俗語による親書と返書の書簡集 1490年: 「イソップ物語」の「狼と狐と猿」の挿絵のところが開かれていた。 ・ユスニアヌス帝|法学提要 1468年: 古代ローマ法の書物。ルネサンスを経た近代ヨーロッパ法の規範となった。グーテンベルグの印刷所を引き継いだペーター・シェーファーによる印刷。「見当」のための小さな孔が見える。イニシャルは、赤インクと青インクのルブリチート。 ![]() ・トリスメギニトゥス|ポイマンドレス(「ヘルメス選書」より) 1554年: 「王のギリシャ語」活字。 ・ウィトルウィス|建築書 1486‐87年: 初版本。 ・バルトロメオ・マルリアーニ|都市ローマの地誌学 1544年: ローマのガイドブック。1506年に発掘され、ヴァチカンの中庭に運び込まれた「ラオコーン」は、この挿絵で有名になった。 ![]() ・ヘロドトス|歴史 1502年 ・プリニウス|博物誌 1472年・1554年 ・ウェルギリウス|アイエネス 1492年: イリアス・オディセイアの物語。中世のゴシック写本⇒ユニマスト能書⇒ローマン活版。 ・キケロ|弁論家について 1488年 ・ユークリッド|幾何学原論」 1482年 第3部 近代の扉を開く: ルネサンス ・ボッティチェリ|ダンテ「神曲」デジタル複製版 2014年: 以前に見た画に再会して思わず興奮した。その裏面にボッティチェリが「ダンテ・豹・獅子・狼」を描いた素描は、鏡で見られるようになっていた。 以下は、以前の記事の引用。 重要なのは、ボッティチェリの《地獄の見取り図》。これは、約100葉の「ダンテ神曲挿絵」のうち彩色された3葉の一つである。・ポリツィアーノ|ホメロス「イリアス」(イタリア語)1470年: ルネサンス期のフィレンツェで印刷された彩色写本。下部にメディチ家の紋章が見える。 ![]() ・レギオモンタヌス|天文暦 1482年: 出ていたのは巻頭頁だが、中には日食・月食についての記載があり、これを読んでいたコロンブスがジャマイカで月食を予言し、人々を驚かせたという逸話が残っている。 ![]() 国内出展書としては、以下のもの。 ・ボッティチェリ|ダンテ『神曲』 1481年・1902年(地獄篇第2歌) ・ダンテ・アリギエーリ|神曲(ダンテの三韻句法) 1502年: 古代ローマティトス皇帝時代の「錨とイルカ:ゆっくりと急げ」のコイン。 ・アンジェロ・ジラルディ他|ダンテ『神曲』オフセット複製版: 白手袋をはめた手に取って見ることができたのは至福の時間 ・トマス・モア|ユートピア 1518年: 大航海時代のガレノス船。 ・コンラート・ゲスナー|動物誌 1617年 ・エラスムス|格言集抜粋 1564年: p.358上から3行目に「必要は発明の母」) ・新約聖書(ルター訳ドイツ語) 1522年: クラーナハの木版画「バビロンの売春婦」 ・アピアヌス「コスモグラフィア」 1581年: 天文学・地理学。各緯度における日の出・日没の時間を表示する器械。 第4部 ヴァチカン貴重庫で見つけた日本・東アジア ・イグナチオ・デ・ロヨラ|霊操 1548年: イエスズ会宣教師が活版印刷を広めた。 ・天正少年使節からヴェネツィア共和国政府への感謝状 1585年7月2日(天正13年): 伊藤マンショ・千々石ミゲル・中浦ジュリアン・原マルチノの花押と欧文署名が見られる。 ![]() ![]() ・キリシタンからの手紙 1621年 ・ミヒャエル・ボイム|中国総輿地図(東アジア図)1652年: ザビエルが助けた大きな赤蟹の絵がザビエルが亡くなった上三島(マカオ近辺)に描きこまれている。 国内出展本で興味をそそられたのは下記。 ・マルコ・ポーロ|東方見聞録 1483‐84年 ・トルセリーニ|フランシスコ・ザビエル伝 1657年 ・イエスズ会日本通信・殉教報告書 1612年 ・ルイス・フロイス|日本からの二つの新たな年報 1598年: 豊臣秀吉に重用されたフロイス。 ・ニコラ・トリゴー|日本キリシタン迫害史 1623年: 天草のアダム荒川の処刑図。 途中、ヴァチカン教皇庁図書館の歴史と現在を紹介する「プロジェクション・マッピング」を見ることができた。これがなかなかのスグレモノ。 ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2015-05-13 21:36
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