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緑の風の爽やかな五月晴れの日曜日。用賀駅から、路面に小倉百人一首が刻まれている優雅な「用賀プロムナード」を通って「砧公園」に入り、「世田谷美術館」に30分ぐらいで着いた。
![]() ![]() 速水御舟というと、安宅コレクションを引き継いだ山種美術館の《炎舞》・《翠苔緑芝》・《名樹散椿》などがすぐに思い浮かぶ。山種美術館の御舟の作品は以前から沢山見ており、比較的最近では、「速水御舟 日本美術院の精鋭たち」展でかなりの数の作品を観ている。 ところが、今回の展覧会では「山種抜き」でも立派な「速水御舟展」が成立することが実証されていた。展示リストに記載されている出品先は、以下のように多数である。 愛媛県美術館、いづみ画廊、愛媛県美術館、青梅市立美術館、神奈川県立近代美術館、川越市立美術館、京都国立近代美術館、さいたま市立浦和博物館、三溪園、滋賀県県立美術館、東京国立近代美術館、東京都現代美術館、練馬区立美術館、長谷川町子美術館、平塚市美術館、広島県立美術館、福島県立美術館、宮城県立美術館、メナード美術館、茂原市立美術館・郷土資料館、横須賀美術館、横浜美術館、世田谷美術館、西丸山和楽庵、個人蔵また、今回の展示では、類似の作品を隣同士に置き、本画と下絵を近くに展示するなどの工夫がそこここに凝らされていたことも素晴らしかった。 関係者のPRが足りないのかもしれないが、日曜日の午後なのに観客はまばらで、最高の鑑賞環境だった。 以下、展覧会の章立てにしたがって、ブログ記事を書いていく。 第1章安雅堂画塾-師・松本楓湖と兄弟子・今村紫紅との出会い: 1894年に浅草に生まれた速水御舟は松本楓湖の安雅堂画塾に入門。この章で記憶に残ったのは、松本楓湖の歴史画《楠公父子訣別之図》、今村紫紅の《秀吉詣白旗宮図》。 《楠公父子訣別之図》を見ながら、「楠公の歌」の「桜井の訣別」を口ずさんだが、同行の家内は知らないとのこと。 ♪ 正成涙を打ち払い 我が子正行呼び寄せて 父は兵庫に赴かん 彼方の浦にて討ち死せん 汝はここまで来つれども とくとく帰れ故郷へ ![]() 小田原落城して後、秀吉公は直に奥州へ御動座被成。其砌 鎌倉御見物。鶴か岡八幡宮へ参詣、白旗の宮へ御参。鶴岡八幡宮・白旗神社によると、現在この《伝頼朝坐像》(重要文化財)は、東京国立博物館に収蔵されている。鎌倉で育った家内がこの頼朝坐像のことを知らなかったのも無理はない。 速見御舟の《秋草に蜻蛉》や小茂田青樹の《蛙 模写》は、二人の若描き。 ![]() 印象派の点描に似た表現を用いた「新南画」と呼ばれる画風に取り組み、日本画の革新をめざした今村紫紅は、安雅堂画塾の若手メンバーを集め、1914年に「赤曜会」を立ち上げた。 今回の展覧会では、今村紫紅・速水御舟・小茂田青樹の他に、小山大月・牛田雞村・黒田古郷が取り上げられていた。 彼らは、目黒の大地主・吉田弥一郎邸内の吉田家長屋に一緒に住み、邸内で展覧会を開いたため「院展目黒派」と呼ばれていた。 1916年に今村紫紅が脳溢血のため35歳で早世したため「赤曜会」が解散した後も、「院展目黒派」の画家たちは新しい日本画を模作し続けた。 この章で印象に残ったのは今村紫紅の《細雨》横浜美術館: 緑の雨の描写が巧みである。 ![]() ![]() ![]() ![]() 安雅堂画塾に御舟と同日に入門した小茂田青樹は、御舟より3歳年上で、御舟も一目置く存在だった。会場には、互いに切磋琢磨し合った二人の作品がいくつも出ていた。 なお、小茂田青樹は、1933年、喉頭結核で死亡、速水御舟は、1935年、腸チフスのため永眠。今村紫紅の享年35、小茂田青樹の享年42、小茂田青樹の享年40はいかにも早すぎる。 この章のお気に入りは、今回の展覧会の冒頭に展示されていた御舟《洛北修学院村》滋賀県県立美術館: 再見。暗い群青の上に明るい緑青が置かれ、画面の奥行が増している。中央の家並みより下部は俯瞰、上部の山並みは仰瞰的に描かれている。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 御舟に教えを受けた門人は数多くいたが、今回紹介されていたのは二人だけ。 一人は、《洛北修学院村》の評に感激して、愛媛から上京し最初の弟子となった高橋周桑。 もう一人は、御舟と姻戚関係にあり、御舟の教えや作画方法について多数の記述を残し、世田谷美術館とも因縁のあった吉田善彦。 高橋周桑のお気に入り作品は、愛媛県美術館(寄託)の《松と桜》。 ![]() まずは《苔庭》世田谷美術館 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら 【付記】 2階では、「渡辺豊重と平野甲賀」展を見た。それぞれに特徴のある作品が並んでいた。 ![]()
by cardiacsurgery
| 2015-05-11 15:07
| 近代日本美術
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