図解 名取春仙の三四郎 第十三章

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117．明治41年12月29日　三四郎（百十七回）十三（完結）：

　「三四郎」は今回で完結した。表題のカットは、前章と同じ。　団扇をかざした美禰子をモデルにして原口さんが描いた大作《森の女》が完成し、「丹青会展」に出品された。美禰子は夫に連れられて二日目に来た。原口さんが案内をした。三人とも絵の出来栄えに満足した。　挿絵はないが、開会後第一の午後に、広田先生・野々宮さん・与次郎・三四郎の四人が揃ってやってきた。三四郎は、大勢の後ろから画をのぞきこんだだけで、腰掛にもたれこんでいた。与次郎が傍に来て「どうだ森の女は」と訊くと、「《森の女》という題が悪い」という答。そして、口の中で《迷羊（ストレイ　シープ）》という題を繰り返した。【図解　名取春仙」の三四郎　目次】

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【名取春仙の経歴】　春仙（1886-1960）は版画家・日本画家・挿絵画家・装幀者。生家が事業に失敗したことや、娘が20代の若さでこの世を去ったことが原因で、妻とともに名取家の墓前で自殺。山梨県南アルプス市に「春仙美術館」。

【名取春仙の版画】

a. 《創作版画春仙似顔集　十一世片岡仁左衛門の九段目の本蔵》⇒　クリック
　b.《十五世市村羽左衛門の入谷の直侍》⇒　クリック
美術散歩　管理人　とら