図解 名取春仙の三四郎 第十二章

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110．明治41月12月22日　三四郎（第百十回）十二の一：　演芸会当日、三四郎は広田先生を誘い出した。先生は希臘の劇場のような戸外会場が良いと言う。会場の前まで来たが、先生は中には這入らない。111．明治41年12月23日　三四郎（百十一回）十二の二：　会場に入らなかった広田先生を見送った三四郎は入場したが、蘇我入鹿が登場している芝居の筋は分からなかった。与次郎が走って行った先には美禰子の横顔が見えた。
112．明治41年12月24日　三四郎（百十二回）十二の三：　相変わらず芝居小屋の中。舞台では「ハムレット」が進行中だが、この挿絵は蘇我入鹿と氏名不詳の女性が描かれている。推古天皇あるいは欽明天皇の御代か三四郎にも不詳。
113．明治41年12月25日　三四郎（百十三回）十二の四：　 風邪（インフルエンザ）で寝込んでいる三四郎の見舞いに与次郎がやってきた。三四郎は与次郎に美禰子の嫁入りが決まったことの詳細を教えてくれと頼む。114．明治41 年12月 26日　三四郎（百十四回）十二の五：　与次郎は「よし子と美禰子の結婚話の相手は同じ人らしい。よし子を見舞いに来させるから、じかに聞いてみろ」という。挿絵は蜜柑の籠をお見舞いに持参したよし子だが、この話は次回に出てくる。115．明治41年12月26日　三四郎（百十四回）十二の五：　 よし子は「美禰子の縁談は纏まった。相手は美禰子の兄の友達で、以前によし子をもらうと云った男だ」という。挿絵は翌日掲載の文に出てくる三四郎。美禰子が行っているという教会に向かった。風が吹く中、外套の襟を立てて。116．明治41年12月28日　三四郎（百十六回）十二の七：　縞の吾妻コートを着た美禰子が会堂の階段を降りて来た。二人は互いに近寄った。女のハンケチは「ヘリオトロープ」の香りがした。三四郎の「結婚なさるそうですね」との言葉に対して、美禰子は「御存じなの」と云い、「我はわが愆（とが）を知る。わが罪は常にわが前にあり」と答えた。【参照】図解　名取春仙の三四郎　第十三章（最終章）はこちら。

美術散歩　管理人　とら