図解 名取春仙の三四郎 第五章

　「図解　名取春仙の三四郎 第四章」の続き

46．明治41年10月17日　三四郎（第四十六回）五の一：　野々宮宅を訪ねた三四郎は、妹のよし子と話した。挿絵は、縁側に置かれたよし子の画筆や絵具箱と庭の萩。描きかけの絵には、萩の他に前の家の柿の木だけが描かれている。47．明治41年10月18日　三四郎（第四十七回）五の二：　挿絵は題名の脇に置かれたカットで、連子窓と背の高い植物が描かれている。これはよし子が描いている藁葺屋根の上の柿の枝だろうか。48．明治41年10月19日　三四郎（第四十八回）五の三：　三四郎宛のハガキには「明日午後一時頃から菊人形を見に参りますから、広田先生のうちまでいらっしゃい。美禰子」とあり、字体は野々宮が持っていた封筒の上書きに似ていた。49．明治41年10月20日　三四郎（第四十九回）五の四：　菊人形を観に行く新調の制服の三四郎。前を行く背の高い女性がよし子で、低い方が美禰子。背の高い男性が野々宮で恰幅の良いのが広田先生。50．明治41年10月21日　三四郎（第五十回）五の五：　菊人形を見にゆく途中、大観音（光源寺）の前にいた乞食に顧みず、五人は平気で行き過ぎた。三四郎は、このことについていろいろと考えている。51．明治41年10月22日　三四郎（第五十一回）五の六：　菊人形が見られる団子坂は大変な混雑で、迷子まで出ている。お婆さんとはぐれた迷子は。結局巡査に渡された。挿絵には、この迷子が描かれている。52．明治41年10月23日　三四郎（第五十二回）五の七：　「養老の滝」の菊人形を見ていた美禰子が気持ち悪くなり、三四郎と一緒に出口を出た。二人は谷中から根津に抜ける石橋を渡って静かな場所まで歩いていった。53．明治41年10月24日　三四郎（第五十三回）五の八：　小川の縁の草の上に腰を下ろした三四郎と美禰子は、大きな雲が浮かんだ遠くの空を眺めている。濁った空の色は大理石のように重く見えた。54．明治41年10月25日　三四郎（第五十四回）五の九：　洋服を着て髯を生やした見知らぬ年配の男が、座っている三四郎と美禰子を睨み付けた。その眼のうちには明らかに憎悪の色があった。55．明治41年10月26日　三四郎（第五十五回）五の十：　美禰子が、三四郎に［迷子］の英語は‘stray sheep’だと教えた。三四郎が黙っていると、美禰子は「わたしそんなに生意気にみえますか」と聞いてきた。挿絵はその羊。【参照】図解　名取春仙の三四郎　第六章

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