修復された一高歴史画 ＠東京大学駒場博物館

　西高東低の冬型の天気図。時ならぬ豪雪に見舞われた地方の方には申し訳ないが、東京は温度は低いが快晴。申し分のない美術散歩日和である。この日を逃してはならじと「駒場・松濤美術散歩」に出かけた。

　コースは、渋谷駅⇒京王井の頭線「駒場東大前」駅⇒東京大学駒場博物館⇒初年度活動センター北側通路⇒矢内原公園南側通路⇒炊事門（通用口）⇒松濤二丁目⇒山手通り横断⇒渋谷区立松濤美術館⇒京王バス「東大前」⇒渋谷駅

　それではこれから「修復された一高歴史画」展が開催されいる「東京大学駒場博物館」へ。　「一高歴史画の概要」については、こちらにその詳細が記載されているが、全33点のうち、今回は修復が終了した7点だけが展示されていた。全作品の修復が終われば、大きな展覧会を開きたいと書かれていたが、いつのことになるか全くわからない。

　今回展示されている7点についてはフラッシュなしの撮影がOKだったので、以下、個別に紹介していきたい。

１．橋本雅邦《西行法師之図》露出展示：　開校間もない東京美術学校主任となった橋本雅邦の作品。「心なき身にもあわれは知られけり、鴫たつ澤の秋の夕暮」という「もののあわれ」を感じている西行の姿であるが、その彫の深い人物表現は西洋画の影響を受けている。　画面左には「鴫」も描きこまれている。２．下村観山《蒙古襲来之図》露出展示：　古画《蒙古襲来絵図》をふまえながらも、空気遠近法のような西洋画の技法を取り入れている。３．下村晴三郎（観山）《元禄年間武家対応図》露出展示：　武家の名は特定できない。
４・５．小堀鞆音《田村将軍図》・《菅公図》：　武将の「坂上田村麻呂」と官僚の「菅原道真」を対比させた対幅。
６．小堀鞆音《大阪後役之図》：　鉄砲も使われている。７．天草神来《大阪夏陣図》：　善戦する真田信繁（幸村）。　駒場博物館を出て、初年度活動センターの北側、矢内原公園の南側を通って「炊事門」に着く。ここは閉鎖されていたが、脇の「通用口」が開いているのを見つけて、東大の構外に出る↓。　そこから向かって左のダラダラ坂（右手は公務員住宅）を上っていくと、何本か脇道が出てくるが、構わずに直進すると山手通りの「松濤二丁目」に着く↓。　山手通りを渡って、渋谷方面に向かい、左折すればすぐに「松濤美術館」である。　ここで観た「天神万華鏡」展（前期）については別稿とする。

美術散歩　管理人　とら