誰が袖図ー描かれた着物 ＠根津美術館

　五島美術館（存星）・根津美術館（絵の切断・器の修復）・三井記念美術館（東山御物）の3館の入場券を貼り付けて持って行くと、次の展覧会が一つ無料になるということなので、準備して初日の「誰が袖図」展を見るために、根津美術館に出かけた。　館蔵の《誰が袖図》が3点出ていたので、着物の文様などを含めて、単眼鏡でゆっくりと眺めてきた。　第一の《誰が袖図》は↓。男女の着物や持物が描かれていることから想像されるのは、描かれていない親しい男女の姿である。
　↓はその右隻、↓↓は左隻であるが、気付いた点は画像の上下に文字入れしておいた。　第二の《誰が袖図》は↓。　その右隻は↓、左隻は↓↓である。ここでは男性の姿は見えないが、遊里の女性の姿はしっかりと描かれている。《誰が袖美人図》という名称のほうがよいかもしれない。　この《誰が袖図》は、上から目線の吹抜屋台の構図となっている。見ているうちに、新作「誰が袖図ミステリー」の梗概が浮かんできた。

この図の中に隠れている男性は二本差しの武士。その行状を隣家の屋根からつぶさに監視しているのは幕府隠密の御庭番。隠密は、この図に描かれた大小の刀が動かぬ証拠となると考えて屋根の上からスケッチ。なにせ隠密の眼は千里を見通す。この脇差の鍔をつぶさに見た幕閣たちが、「さては前田の梅紋」と思ったかどうかは歴史書には記されていない。

　第三の《誰が袖図》の右隻には、桜花、菊花、草花図扇面を散らした着物が描かれ、左隻には、塗箔金糸を用いた蝶などさまざまな文様の子供用振袖や折りたたんだ着物が描かれていた。

　会場には、着物が描かれた絵や工芸品がいくつも出ていた。　今回は、別会場に展示されていた①「婚礼衣装ー旧竹田宮家所蔵品を中心に」↓、②「館蔵の名碗20撰」↓↓、③「霜月の茶」↓↓↓もとても良かったが、長くなりそうなので、別稿とする（①、②、③）。
美術散歩　管理人　とら

【同時展示】

・誰が袖図
・皇族婚礼衣装
・茶碗20撰
・霜月の茶