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これは「名画を切り、名器を継ぐ 1.書画」の続編である。
誰でも器物を壊したら、なんとか修理して復元しようと考えるものであるが、偏執狂的なコレクターは特にその傾向が強い。 壊れた青磁の茶碗を鎹で留め、その修理の跡も見どころにするなどはその最たる例である。今期には出ていない《青磁輪花碗 銘 馬蝗絆》はその好例であるが、同様な例は今期にも出ていた。 ・《青磁茶碗 銘 雨龍》 龍泉窯 南宋時代 鹿苑寺 ・《 青磁花入 銘 鎹》 龍泉窯 大阪市立東洋陶磁美術館 ・《青磁貼花牡丹唐草文瓶》 龍泉窯 南宋~元時代 北野天満宮 《刀 無銘 切付銘 名物 籠手切正宗》 鎌倉時代 東京国立博物館は、もと太刀であったものを切り詰めて短刀としている。このような切り詰めを「磨上(すりあげ)」と呼ぶとのことである。 有名な《唐物肩衝茶入 銘 初花》 福州窯系 宋~元時代 徳川記念財団が出ていたが、今回の主役はその付属の《珠光緞子片身替仕覆》 明時代 であった。この仕覆は左右半分ずつ異なる裂地を用いて仕立てられていた↓。 《瀬戸丸壺茶入 銘 相坂》 瀬戸 南北朝~室町時代 根津美術館の主役は、付属の《堆朱梅花形盆》 明時代。上に乗せる茶入がぐらつかないように、盆の見込みにあった浮彫を削り取って平滑に塗りなおされている。 「裂手鑑」が二点出ていた。いずれも江戸時代のもので、一つは徳川美術館蔵の《古織紋鑑》、もう一つはMOA 美術館蔵の《裂手鑑》である。 《瀬戸獅子香炉》 瀬戸 室町時代 根津美術館は、割れてしまった狛犬を香炉とした見立ての茶道具。 《唐銅三具》 明時代 根津美術館は、製作地や年代の異なる唐銅の器を集めた「寄せ道具」。 《無地真形釜 蘆屋》 鎌倉時代 相国寺では、傷んだ底を取って、新たな底をはめ込んで修理されている。 《夕顔文尾垂釜 蘆屋》 室町時代 MIHO MUSEUMでは、もとの真形釜の下部を取って新しい底をつけて尾垂釜としている。 《大井戸茶碗 銘 須弥(別銘 十文字)》 朝鮮時代 三井記念美術館は、茶碗を大きく十文字に切り、もう一度つなぎなおしている。この切断の理由は不詳であるが、この改造によって名碗として有名になった。 不細工な《赤楽茶碗 銘 乙御前》 本阿弥光悦 江戸時代は再見であるが、製作時に生じた「窯割れ」を漆で止めている。 《瀬戸筒茶碗 呼継》 瀬戸 室町時代 永青文庫では口縁の欠けた部分を異なる陶片で「呼継ぎ」している。これを見どころにしているらしいのだが、私の美的感覚には合わない。織田有楽が「呼継ぎ」させたとのことである。 《赤楽茶碗 銘 木守 長次郎作/ 楽 惺入補作》 桃山時代 16世紀・昭和時代 (1934)高松松平家歴史資料は、関東大震災で黒く変色してしまった陶片を使い、江戸時代の模作を参考にして復元された。 《信楽壺 銘 破全》 信楽 江戸時代 根津美術館: 根津嘉一郎が面白みを付けるためにわざと欠かせた壺が、勢い余って粉砕されてしまった。この壺が近年修復された。 《白磁壺》 朝鮮時代 大阪市立東洋陶磁美術館は窃盗犯により粉々になっていたが、これが完全に修復されている。 《手焙( 流水蛇籠文七宝釘隠・九七桐紋七宝釘隠)》桃山~江戸時代・大正時代 細見美術館は、二つの七宝釘隠を組み合わせて、手焙の火屋に仕立てている。 かけがえのない文化財を所蔵しているコレクターたちは、長くても自分が死ぬまでの有限の期間だけ当該の文化財を保管させていただいているという考えにたって、節度ある態度でこれを守ってもらいたいものである。 益田鈍翁のように文化財破壊の先頭に立つ人間が今後は決して出てこないことを念じて展覧会場を出た。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2014-11-04 21:58
| 国内アート
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