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自宅には、過去の日本国宝展の図録が2冊ある。1990年展と2000年展の図録である。その後に2010年展というのが開かれず、今回の2014年展になってしまった。
日本の信仰は、古くは自然信仰であったが、途中から外来宗教の仏教が政治や社会を支配し、一方、旧来の自然信仰は神道に変化し、あるときは垂迹思想によって仏教と結びつき、またあるときは廃仏毀釈を経て戦前の社会を支配するようになっていった。その間、アイヌや琉球の信仰は尊重されることがなく、キリスト教は長い弾圧の歴史を辿らざるをえなかった。 このような歴史的な背景を考えれば、今回の国宝展企画に一定のリスクが包含されていることは明らかである。 今回の特別展のもう一つの特徴としては、冒頭に「特別出品 正倉院宝物」が「国宝展」展示されていることである。国民共通の財産であるはずの「正倉院宝物」が、これまで奈良の地だけで期間限定で公開されていることに違和感を持っている向きにとっては納得できる展示だと思う。 それでは、展示の順序に従って、感想を述べていくこととする。 特別出品 正倉院宝物 S01. 紅牙撥鏤撥 奈良時代 正倉院: S02. 鳥毛立女屏風 第一扇、第三扇 奈良時代 正倉院: 初見。着衣・髪・木・石にヤマドリの毛が貼ってあったとのことだが、現在は剥落して非常に観にくい。ふくよかな唐美人の顔・唇・手・宝珠や衣服の裏地の色彩が残っている。 S04. 楓蘇芳染螺鈿琵琶 奈良時代 正倉院: S06. 緑地彩絵箱 奈良時代 正倉院: 東大寺の法要に用いられた献物箱。黄緑の地塗りと複合花文が美しい。 1.仏足石 奈良時代 薬師寺: 仏教では、ガンダーラでヘレニズム調の仏像が製作される以前のインドでは、人物崇拝が禁じられていたため、代替として釈迦の足跡を刻んだ仏足石が尊崇の対象となっていたことは、以前から知っていた。今回、これが中国を経て日本にまで伝わっていることに驚いた。これは8世紀の制作であるから、日本に仏教や仏像が伝来した6世紀とは200年もあとのことであるからなおさらである。 2.玉虫厨子 飛鳥時代 法隆寺: 再見であるが、玉虫の翅の確認には今回もてこずった。 17.蓮唐草蒔絵経箱 平安時代 奈良博: 蓮華唐草と蝶の金蒔絵のある漆皮箱。カワイイ作品。 24.法華経(浅草寺経)平安時代 浅草寺: 釈迦説法図の見返しは濃褐色で、淡褐色の本紙の字は和様でやわらかい。全体に金箔などが撒かれた見事な装飾経である。 26.一字蓮台法華経 普賢菩薩勧発品 平安時代 大和文華館: 経文の各字を仏に見立てて、蓮台を描き加え、金銀箔などが撒かれた見事な装飾経である。見返し絵には、僧侶5人、公卿1人の他に、女房3人が描きこまれている。院政期における女性の法華経信仰と関連があるとのこと。 29.地獄草紙 平安時代 東博: 嫌いだが、つい見てしまう。 31.餓鬼草子 平安時代 東博: こちらも大嫌い。 33.当麻曼荼羅縁起絵巻 鎌倉時代光明寺: 展示の上に場面の説明があるので、ストーリーをフォローできる。出ていたのは尼公(中将姫)が観音菩薩の化身である化尼が染色をしているところを見ている前巻の場面で、後期にハイライトである来迎場面のある下巻が出る。 38.普賢菩薩像 平安時代 東博: 虚空から花が舞い降る空間に白象に乗って現れた普賢菩薩。 44.雲中供養菩薩像 平安時代 平等院: 再見。 第二章 神を信じる 45.土偶 縄文のビーナス 茅野市棚畑遺跡: 再見(↓左)。 55.沖ノ島祭祀遺跡出土品: 再見 57.僧形八幡坐像・神功皇后坐像 平安時代 薬師寺: 再見。 53.内行派花文鏡 弥生時代 平原遺跡: 伊都国の王墓と考えられる糸島市の遺跡より出土した太陽と光芒を表す文様の超大型の鏡。径46.4cm! 第三章 文学、記録をみる信仰 65.日本書紀 平安時代 京博: 上部に説明書があるので分かりやすい。聖徳太子や小野妹子の名前が繰りかえしでてきた。日付がしっかりと書いてあるので、歴史書としての価値が高い。文字の書体も美しい。 67.源氏物語 柏木(二) 平安時代 徳川美術館:再見。病の柏木を源氏の子であり親友でもある夕霧が見舞う場面。右手に病気平癒のための祈祷を暗示する経巻が積まれていることは、今まで見逃していた。 70.寝覚物語絵巻 平安時代 大和文華館: 79.東寺百合文書 北畠親房仏舎利奉請状 鎌倉時代 京都府立総合資料館: 加賀藩主・前田綱紀の援助で保存されてきた文書で、東寺自体の運営のみならず寺領の経営に関する史料を含んでおり、2015年の「ユネスコ記憶遺産」の登録候補に推薦されている。この文書は、後醍醐天皇と北畠親房が、東寺伝来の仏舎利を譲り受けた際の受領書である。 第四章 多様化する信仰と美 88.周茂叔愛蓮図 狩野正信 室町時代 九博: 蓮を君子の花として愛した北宋の儒学者・周茂叔が蓮池で小舟に乗って遊ぶさまを青緑の淡彩で描いた美しい絵。 92.金銅透彫舎利容器 南北朝時代 西大寺: 舎利を3重に収めた容器。当時の舎利信仰に基づいて、このような豪奢な容器が作られた。 94.一遍上人伝絵巻 巻第七 法眼円伊 1299年 東博: 踊り念仏をする一遍たちが描かれている。 95.法然上人伝絵巻 巻第七 鎌倉時代 知恩院: 法然が唐時代の僧・善導と夢の中で対面する場面が描かれている。 96.花鳥図 狩野永徳 室町時代 聚光院: 再見。 97.松に秋草図 長谷川等伯 1592年頃 智積院: 再見。 109.玳玻天目 吉州窯 南宋時代 相国寺: 玳玻とは亀甲のこと。松平不昧の愛蔵品。 第五章 仏の姿 112.広目天立像 山口大口費 飛鳥時代 法隆寺: 再見。 119.元興寺極楽坊五十小塔 奈良時代 元興寺: 本格的な構造と工法で造られた高さ5.5mの小塔。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2014-10-24 15:04
| 国内アート
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