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今年の猛暑の中、美術散歩はスローダウン気味であるが、冷房の効いたバスを乗り継いで損保ジャパン東郷青児美術館に行くことにした。もちろん、熱中症予防のため、断熱バックに冷たい昆布茶の瓶を詰めて・・・。
第2次大戦後の20世紀美術の教科書を読むと、「〇〇アート」という言葉が沢山出てくる。 ちょっと拾ってみるだけで、ポップ・アート、オプ・アート、キネティック・アート、ミニマル・アート、コンセプチュアル・アート、ヴィデオ・アート、パフォーマンス・アート、メディア・アート、グラフィティ・アート、フェミニズム・アート、ポリティカル・アート、デジタル・アート・・・。 このようにして、現代の「アート」が伝統的な美術すなわち「ファイン・アート」を呑みこんでいったのであるから、個々のアートについての知識をもつことは重要である。 しかしながら、それを得るための適切な展覧会が開催されることが稀であることも事実である。ということで、今回の展覧会は重要であると考えて出かけた次第。 今回の展覧会での「キネティック・アート」の定義は、機械仕掛けで動作・発光する作品や、目の錯覚や見る人の視点によって動いているように見える作品など、作品に「動きを取り入れたアート」ということなので、従来の「オプ・アート」と「キネティック・アート」を包含する概念のようである。 「動く芸術」という発想の起源は20世紀初頭の未来派の作家などに遡ることができるとのことであるが、「キネティック・アート」という領域は、発達する科学技術を芸術に取り込む気運が高まった1950年後半から60年代にかけて、新しい美術分野として定着した。 この展覧会で紹介されていたのは、1960年代にイタリアを中心に展開された作品が主である。 目の錯覚などの特殊な視覚効果を計算した抽象絵画や多様な素材を媒介に線や形が重なり合うことで生じるモアレなどの視覚体験をもたらす作品、風力や磁力、電力などを利用して実際に動いたり光ったりする作品など約90点が展示されていた。 出展作家としては、ドイツのジョセフ・アルバース、ヴィクトル・ヴァザルリ、フランスのジョエル・スタインやイタリアのブルーノ・ムナーリなど名前を知っている作家もあったが、大多数は初めての遭遇であった。 以下、章別に目立った作品を挙げていく。 第1章 視覚を刺激する(絵画的表現) ・ヴィクトル・ヴァザルリの《多色3ケルビン》↓は、平面に描かれているのだが、色彩によって凹凸が感じられる。ジョセフ・アルバースの《すべて》は見慣れた正方形の重なりの作品であるが、バックの青に対して、赤が手前にせり出してくるように感じられた。いずれも色彩による錯覚である。 ・トーニ・コスタの《交錯》↓は、ビニールの紐にねじりを入れた構造になっているとのことで、視点を移動させると、色の形が動いて見える。 第3章と第4章の作品の多くは、観客が足踏みスイッチを押してたり、中心軸を手で回すことができるようになっていて、とても楽しめた。 ・ガブリエレ・デ・ヴェッキの《『軸測投影法の歪み-1』》↓は、 エナメル塗装した金属が電気モーターで回転する。その動きは、こちらの動画で確認できる。 ・ユーゴ・デマルコの《変化するプリズムと反射光》↓では、箱の奥に貼りつけられた白と黒の丸が、金属板の仕切りに映りこむことによって、本当の丸と映った丸が癒合して見える。このことは観るものが体を動かして、別な角度から見ることによって初めて確認できる。 会場は、若い観衆であふれていた。どうみても私は最高齢の観客であったが、これだけ楽しめたのだから、精神年齢は肉体年齢にくらべ、まだまだ若いのかもしれない。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2014-08-04 23:13
| 現代アート(国外)
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