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これは「メトロポリタン美術館 古代エジプト展 @東京都美術館」の第Ⅲ報である。 ちなみに、第Ⅰ報「王妃と女王」はこちら、第Ⅱ報「女神」 はこちらである。
セネトゲームについては、今回は下記の2点が展示されていた。 《セネトゲームで遊ぶネフェルタリ王妃》模写↓は、「死者の書」第17章の呪文の挿絵で、王妃は見えない敵を打ち負かすためにセネトゲームを行っている。これによって、冥界での永遠の生命を手に入れようとしているのである。装いは華やかだが、その目つきは真剣である。 セネトゲームについては、「大英博物館 古代エジプト展 @ 森アーツセンターギャラリー」のブログ記事に書いたことがあるので、当該部分を下に引用する。 ここで「セネトゲーム」が登場した。30マスでできた盤上の道を二人で駒を進めるゲームだが、死者が通過する旅を象徴するものとして一緒に埋葬されており、死者の書の中にも描かれている。調べてみると、このゲームの歴史は古く、紀元前2613年頃の壁画にも描かれているという。当初は単なる世俗的な遊戯であったようだが、その遊び方を記した文書は残っていない。 一方、墓の中からは40件あまりのセネトゲームが発掘されている。これらのものでは、上記のような宗教的な意味が付加されてきている。 セネトゲームはハプシェスト女王の頃に下記のような大きな変化があった。第1は、各人の駒数が7駒から6駒に減ったこと、第2は、セネトゲーム盤の裏面に別な「20マスゲーム」が追加されたことである。 セネトゲームの遊び方を記した古文書は見つかっていないが、このゲームに興味を持った人々が推量を重ねた結果、おおむね下記のようなものと考えられている。 ・ゲーム盤のマス(House)は、3列で、それぞれが10マス、すなわち合計30マス構成されている。 ・ゲーム開始にあたっては、各人はゲーム盤の左上のマス(第Ⅰマス)から右に向かって、交互に1コマずつ置いておく。 ・振り棒を振った結果が「表裏裏裏」であれば、自分の駒の一つを第15マスの方向に1マス進め、「表表裏裏」であれば2マス進め、「表表表裏」であれば3マス進め、「表表表表」であれば4マス進め、すべてが「裏裏裏裏」であれば自分の駒を5マス(註:6マスという説もある)進めることができる。 ・自分の駒が既に入っているマスには新しい駒を重ねて入れることはできない。 ・自分の駒を動かす先のマスに相手の駒が既にある場合には、自分の駒をそのマスに入れて、相手の駒を今まで自分の駒があった場所に戻すことができる。ただし、相手の駒が2つないし3つ並んでいる場合には、上記の「取り替え」はできない。すなわち、相手に「取り替え」をさせないためには、自分の駒を並べてブロックするという戦術が有効である。もちろんいくら駒を並べておいても、相手はそれらを飛び越えて5マスも先に進めることもできるので、絶対的なブロックになっているわけではない(3つ以上並んでいる場合には飛び越えられないとする考えもある)。 ・第26マス、第27マス、第28マス、第30マスは「安全マス」で、そこに置いた駒は上記の「取り替え」を受けることを免れる。 ・第26マス(幸福マス)に置いた駒はいくつでも進める「安全マス」なので、なるべくそこに入れておくようにする。手前にブロックしている相手駒があってもそれを飛び越えて入れられるし、ブロックしている駒がない場合には、第26マスを越すような数が出ても第26マスで止まるから安心である。 ・第27マス(「3」マス)の駒は3マス進める場合だけ、第28マス(「2」マス)の駒は2マス進める場合だけ、第27マス(「1」マス)の駒は1マス進める場合だけに動けるもので、それぞれ駒が盤外に出ることになる。 ・第27マス(水の罠マスあるいは不幸マス)に入った駒は、強制的にスタートの第15マス(再出発マス)に戻される。 ・どうしても前に駒を進めることができない場合には、自分のその分だけ逆に戻す(このように戻さないという考えもある)。 すでに商品化されたセネトゲームが出ているとのことだが、オンライン・ヴァージョンのセネトゲームを見つけたので遊んでみた。 試してみたい方はこちらをクリックしてください。最初にコマーシャルが出てきますが、しばらく待っているとゲームの場面に代わります。 このゲームでは、「振り棒を振るのは交互に1回ずつ」ということになっていた。また「どうしても前に駒を進めることができない場合には、自分の駒の位置はそのままにしておいて、相手に振り番を渡す」といことになっていた。 なかなか面白かったが、相手がコンピューターだけになかなか勝てなかった。 美術散歩 管理人 とら 【註】 「Ⅰ.王妃と女王」は、こちら 【註】 「Ⅱ.女神」は、こちら 【註】 「Ⅲ.セネトゲーム」は、こちら 【註】 「Ⅳ.棺」は、こちら
by cardiacsurgery
| 2014-07-26 10:57
| 国外アート
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