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漆工芸には、無文漆器の他に、単色彫漆(堆朱・堆黒・堆黄)と多色彫漆(彫彩漆・填漆・存星)がある。
今回の「台北国立故宮美術院 神品至宝」展には、堆朱が3件、彫彩漆が2件、漆填が1件、存星が2件出ていた。 以前の「北京・故宮博物院200選」展では、堆朱5件、彫彩漆1件、存星1件、「地上の天空 北京・故宮博物院展」では、堆朱6件、存星1件を見た。 「存星」(ぞんせい)とは日本独自の用語であることを今回の「神品至宝」展で初めて知った。 中國では「填漆沈金」(てんしつちんきん)と呼ばれている。 いれにせよ、これは填漆(てんしつ)に沈金(ちんきん)を併用する彫漆技法である。 「填漆(てんしつ)」とは、漆面に文様を彫り、その文様に色漆を充填する技法で、今回の展覧会にも《牡丹填漆合子》明時代が出ていた。 「沈金(ちんきん)とは、塗面の文様の輪郭線を刻し(線刻)、そこへ金箔や金泥を埋め込んでー鎗金(そうきん)というー文様を縁取る技法である。 「存星」はこの二つの技法を併せたもので、もっとも豪華で賑やかな漆器であるといえる。 この記事は、今までに見た「存星」についてのメモである。 台北の国立故宮博物院展蔵のものは、次の2件。 ・《牡丹龍存星菊花盆》明・嘉靖年間: 「見込み」の牡丹は存星の技法、すなわち填漆と沈金で表し、龍と雲は沈金で描いている。朱塗の地に鎗金の金銭はは華やかだが、牡丹の花弁の銀彩には落ち着きがある。「周辺部」の菊花形の花弁の中には、沈金で孔雀の羽根が描かれている。 ・《花卉存星盆》明・宣徳年間: 「見込み」には、太湖石を背景に芙蓉と菊が存星で描かれ、「周辺部」の芙蓉と菊も存星の技法である。存星の色としては、朱・緑・茶・紺が使われており、色彩の濃淡やグラデーションが見事である。 石川県立美術館には寄託作品として、明時代の《存星卓(蒟醤卓)》がある。その画像はこちらで見られる。 五島美術館で、2014年10月25日(土)-12月7日(日)に、「存星ー漆芸の彩り」展が開かれるとのことであるが、展示品は「彫彩漆」の類を含めて60件となっている。一体、何件の「存星」が出てくるのだろうか。この展覧会の予告は↓のようになっている。 「存星」(ぞんせい)とは唐物漆器の一種。室町時代から「稀なる物」として珍重され、茶人たち羨望の品でした。現在は填漆(てんしつ)に沈金(ちんきん)を併用するものを称することが多く、彫彩漆の類を含めることもあります。しかし、実のところ何が「存星」と呼ばれていたのかは明らかではありません。中国 宋・元時代の彫彩漆をはじめとする名品約60点を通じ、その実像の解明を試みます(会期中一部展示替あり)。【追記】 「存星ー漆芸の彩り @五島美術館」に行ってきました。訪問記事はこちらにアップしました。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2014-07-02 22:05
| 東洋アート
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