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これは2日目のこと。幸い雨という天気予報ははずれた。熊本交通センターから河内経由玉名行の路線バス(10:25)に乗って、夏目漱石ゆかりの小天温泉に向かった。「草枕」の冒頭の文章はあまりにも有名。
山路を登りながらこう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくにこの世は住みにくい。漱石は山越えで小天温泉に達したが、私たちは海沿いのバス。 ![]() ![]() ![]() 客は私と家内の二人だけ。通された松の間は、次の間と露天風呂が付いた特別室。「露天風呂にお湯を入れましょうか」という言葉をいただいたが、酷寒の二月なので屋内の風呂にすることとなった。 昼食をとる前に床の間を背にして記念撮影。 ![]() 床の間には漱石の「則天去私」。漱石の画はヘタウマだが、書は見事。これは「物欲を捨て、物の本質を見抜き、調和的な世界に身をまかせる」という漱石晩年の心境を表している。49歳で没した漱石よりはるかに長生きさせていただいているわれわれ二人もすでにこの境地に達している。 いよいよ昼食。若主人がどんどん運んでくる料理はいずれも新鮮で美味。盛り付けや食器も品が良かった。 ![]() ![]() ![]() ![]() やがて階段の上に何物かあらわれた。広い風呂場を照すものは、ただ一つの小さき釣り洋灯のみであるから、この隔りでは澄切った空気を控えてさえ、確と物色はむずかしい。まして立ち上がる湯気の、濃かなる雨に抑えられて、逃場を失いたる今宵の風呂に、立つを誰とはもとより定めにくい。一段を下り、二段を踏んで、まともに、照らす灯影を浴びたる時でなくては、男とも女とも声は掛けられぬ。と記されている漱石が那実さんの裸身を偶然に拝見した風呂場(↑右下)のある建物を外から眺めてきた。 松岡映丘と門下生で描いた「草枕絵巻」のうちの有名な場面と当時の写真が比較したパネルもあった。 ![]() ![]() ![]() ![]() 帰りの路線バスの乗客はわれわれ二人だけ。申し訳ないくらいだった。熊本市内に戻って、熊本城を見物したが、これは次報に書くこととする。 美術散歩 管理人 とら ・熊本美術散歩 1.九州新幹線の初体験
by cardiacsurgery
| 2014-02-23 14:41
| 国内アート
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